この10年間、ベトナム機器製造部門は大きく発展し、国際社会への参入を積極的に進めています。国の経済が多くの困難に直面している背景の中で、機器製造部門の部品現地調達率や、輸出額が絶え間なく増加していることはその証と見られています。こうした中、同部門は国際社会への参入を進めていくために多くの措置をとっています。
この10年間、ベトナム機器製造部門は大きく発展
機器製造部門は、ベトナムの輸出活動に大きく寄与しています。2014年、同部門の輸出量は、生産総量の32%に達し、目標値を2%上回っています。注目すべきことは、500KVAと220キロボルトの変圧器をはじめ水力発電用の設備や、大型鉄鋼生産ラインなどを製造できるようになったことです。
また、自動車生産・組立分野の裾野産業も一歩一歩形成されています。しかし、水力発電用の機械・設備を生産する企業は主に組立作業に集中しており、今後、設計や、部品の加工、熱錬などに力を入れる必要があると指摘されています。
その問題解決に関し、クアンチュン工業グループのグエン・タン・クオン会長は次のように語りました。
(テープ)
「我が社を含め、多くの企業は、地域諸国の企業に追いつくために、技術導入への投資を強化しています。政府は、機器製造部門の発展のために多くの効果的な政策を実施していますが、企業の力がまだ強くないので、希望通りの結果を収めていません。」
一方、ベトナム機器研究所のグエン・チー・サン所長によりますと、国の工業総生産量における機器製造部門の生産量の割合が年々増えており、2002年の16%から2010年に25・1%に増加しました。
そして、ベトナムが交渉・締結してきたFTA=自由貿易協定は機器製造業に対し、輸出拡大や、生産の促進、近代的技術へのアプローチ、競争力の向上などのためのチャンスをもたらしているとしています。
また、エコノミストらは、「機器製造業をさらに発展させていくために、具体的な計画を立案し、その中で、農業用機械設備や、電気器具、すその産業などを優先対象として選ぶ必要がある」と提案しています。そのほか、政府に対し、企業の技術刷新のための奨励措置をとるよう訴えています。
これに関し、商工省重工業局のチュオン・タイン・ホアイ局長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「これまで、私たちは、機器製造部門の発展へ向けて、政府に複数の計画を提案してきましたが、その中の幾つかの計画が承認されました。例えば、火力発電所用の機械・設備の現地調達率を増加させるためのプログラムです。これにより、数百億ドル規模の機器市場が誕生します。このプログラムが成功すれば、ベトナムの機器製造企業の能力が一段と高まると信じています。」
最近、ベトナム政府は、2025年までの機器製造部門の発展戦略を発表し、その中で、同部門の生産量が国の工業生産総量の21%を占め、国内需要の50%以上を満たすという目標を掲げています。
エコノミストらによりますと、この目標達成のために、政府は、資金や、工場・生産用地などの面で企業支援措置をとる必要があるとしています。政府の支援や、企業の努力により、今後もベトナム機器製造部門はさらに大きく発展していくと期待されています。