この数年、外国へのベトナムの投資は増加の傾向にあります。これはベトナム企業に対し、市場の開拓や国の発展への貢献のために条件を作り出すだけでなく、国際社会におけるベトナムの地位向上にも寄与しています。
これまで、ベトナムは63の国と地域に891件の投資プロジェクトを行なっており、投資総額はおよそ200億ドルに達しています。その中で、ラオスに対する投資プロジェクトは最多となる249件で、投資額は74億ドルにのぼっています。それに次いでカンボジアでは34億ドル相当の161件、シンガポールは55件、ミャンマーは22件、ロシアは19件となっています。これらのプロジェクトは鉱山の開発や農・林・水産物の傍ら、通信、技術分野に集中しています。特筆すべきことは軍事通信会社ベトテル、乳業株式会社ビナミルク、情報通信株式会社FPTなどの国営企業や国営銀行のほか、民間経済セクター、とりわけ中小企業の投資が日増しに増加しています。
近年、ベトナムの企業はライス、カンボジア、ミャンマーなど近隣諸国への投資を重視し、ベトナムと地域諸国との経済連携の強化に狙っています。ラオスで行なわれているホアンアインザライ財団やゴム財団のゴム栽培、製糖、ベトテル社の通信開発プロジェクトやラオス・ベトナム合弁銀行などのプロジェクトが効を奏しています。現在、両国政府はベトナム中部クァンビン省とラオスのカムムオン州を結ぶ石油パイプラインの設置や電気網の敷設などに関する戦略的なプロジェクトを進めています。また、去る13日、ベトナムのグエン・タン・ズン首相とラオスのトンシン・タマボン首相はベトナム化学財団の投資により実施されるラオスのカムムオン州でのカリ岩塩開発プロジェクトの着工式に参列しました。このプロジェクトの投資額は5億2200万ドルにのぼり、ベトナムの海外投資プロジェクトとして最大となっています。式典で、ズン首相は次のように語りました。
(テープ)
「ラオスに対するベトナム企業の投資プロジェクトは互恵をもたらす単の経済活動であるだけでなく、ラオスに対するベトナムの党、国家、国民の重要視、また、ラオスの経済社会発展に貢献しようとする願いも示しています。」
他方、カンボジアに対する投資プロジェクトは主に農業、エネルギー、金融、銀行、保険に集中しています。これらの投資プロジェクトはカンボジアの経済社会発展に寄与するとともに地元の労働者数万人に安定的な雇用を創出しています。
一方、ミャンマーに投資を行なっている上位30カ国の中でベトナムは投資額5億1300万ドルで8位に立っています。また、投資プロジェクトは金融、銀行、保険、通信分野に集中しています。ベトナム郵政通信公社VNPTと軍隊通信会社ベトテルはミャンマー通信市場自由化を目指す入札に参加しました。
ベトナムはロシアに対しても投資額24億7千万ドル相当の投資プロジェクト19件を行なっており、貿易や石油ガス分野を対象としています。代表的なプロジェクトとしてはラスベトペトロやガスプロムベト合弁事業プロジェクト、モスクワのハノイショッピングセンター建設プロジェクトがあります。さらに、ベトナムはベネズエラに対し、投資総額18億ドルの2件のプロジェクト、ペルーに13億ドル相当の投資プロジェクトを行なっています。CTグループのチャン・キム・チュン社長は「海外への投資促進は世界経済への参入におけるベトナム企業の競争力の向上にプラスの影響を与える」との見解を示し、次のように語りました。
(テープ)
「現在、経済のグローバル化が主流になっています。今年末に、ASEAN経済共同体が構築されますが、加盟諸国は海外への投資を促進しています。また、参入に備え、複数のシンポジウムや会議を開催しています。しかし、ベトナムではASEAN共同体の構築に注目しない企業があります。ベトナム企業は参入を積極的に準備しなければならないと思います。」
実際、ベトナムの多くの海外投資プロジェクトは効果的に実施されており、外国向けの投資が前向きな兆しを見せています。外国への投資は経済発展に貢献するだけでなく、市場の拡大、先進的な科学技術の導入に有利な条件を作り出しているととみられます。