年初からこれまで、ベトナム経済は様々な困難に直面していますが、積極的な兆を見せています。特に、工業が好転し、国の経済全体の回復に有利な条件を作り出していると評価されています。
統計によりますと、7月の工業生産指数は7%増加しました。これにより、今年1月から7月までのこの指数の増加率は5・2%に達しています。
注目すべきことは、ハノイ市や、ホーチミン市をはじめ、ドンナイ省、ビンズオン省、ハイフォン市、バクニン省、ビンフク省、ハイズオン省、フンイェン省、ダナン市など工業生産が低迷していた地方が高い工業成長率を見せていることです。
そのほか、繊維製品、履物、電子製品、携帯電話などの部門の生産、輸出状況も好転しています。
フンイェン繊維製品会社のファム・ティ・フオン・ホア(Pham Thi Phuong Hoa)社長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「年初から我が社がの受注数は平年より多いです。周辺諸国の企業がベトナムにシフトしているからです。これは我が社だけでなく、繊維製品部門全体にとって有利なことです」
一方、自動車や、二輪車、製紙、化学物質、金属鋳造などの部門の成長率も10%ないし14%に達しています。さらに、飲料水や、ファッション、および、加工業の生産状況も徐々に安定化しています。生産・輸出状況の好転に伴い、各企業の在庫も減っています。
具体的には、電子部品の在庫量が半減、セメントが35%減、布地が31%減となっています。こうした中、エコノミストらも楽観的な見方を示しています。
経済専門家のボー・チー・タィン(Vo Tri Thanh)氏は次のように話しています。
(テープ)
「リスクはまだ残っていますが、はるかに減ってきました。リスクの低下はベトナムが生産経営活動を補助する政策を実施することに条件を作り出しています。今後も注意深く経済活動を運営する必要がありますが、政府の断固たる措置によって、マクロ経済が引き続き安定すると信じています」
一方、政府も経済回復のために様々な措置を引き続き取る方針です。政府の7月月例会議で、グエン・タン・ズン首相は「年末まで、政府は金融政策のほか、市場補助措置、価格管理強化策なども実施する」と明らかにしました。
これに関し、商工省所属商工情報センターのレー・クオク・フオン(Le Quoc Phuong)副センター長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「年末まで、各企業の困難解決、市場補助のための措置は促進されます。特に、輸出は優先されます。というのは輸出の増加は工業生産の促進に役立つからです」
工業分野の年初からの積極的な兆をみて、エコノミストらは「年末まで、工業分野の伸び率は5・7%に達する見通しで、『経済全体の成長率が5・5%に達する』という目標の達成に寄与する」と楽観的な予測を出しています。