ホーチミン市や、ビンズオン省など6地方からなる東南部地域は重要な経済中心地の1つであり、ベトナムと世界各国を結ぶ架け橋として役割を果たすものでもあります。この地域は工業や、サービス業を発展させるための有利な条件に恵まれています。現在、東南部各省は迅速かつ持続可能な発展へ向けて連携を強化しています。
東南部地域の地図
この数年間、東南部各省は経済成長率が高く、電子製品や、ソフトウエア開発、貿易、ロジスティックス、金融、通信、観光などの分野で持続的かつ能動的に発展しています。また、国際社会への参入事業や、東南アジア地域を含め世界各国との貿易・投資・経済協力事業でも多大な成果を収めてきました。
今年上半期に、この地域が誘致したFDI=外国直接投資額は全国のFDI総額の42・2%を占め、トップに立っています。特に、輸出額は全国の総額の60%を占めています。また、対 GDP=国内総生産の輸出比率で示される経済開放度に関して、全国平均は70%にとどまっていますが、東南部地域はおよそ110%に達しています。
さらに、対 GDP投資比率と経済成長率は、全国の平均数値より1・5倍高いです。現在、この地域内には、ホーチミン市の衛星都市システムや、工業団地システムが形成され、迅速に発展しています。その他、石油ガス産業や、鉄鋼製品、電力、情報技術、化学物質、肥料、建設資材生産業などの分野も発展し、全国の工業化事業の基盤となっています。
しかし、現在の東南部地域の発展はその潜在力にまだ相応しくないと指摘されています。9月16日にホーチミン市で行われた東南部地域経済発展フォーラムで、中部ラムドン省の貿易振興センターのボ・バン・トゥセンター長は次のような見解を示しています。
(テープ)
「最初の段階では、政府と中央各機関が参加する東南部経済協力指導委員会を設立する必要があります。次の段階は各地方が自分で担当します。現在、東南部全体の発展のための政策や、力がまだ足りないのです。」
また、東南部地域の経済発展と人材は質がまだ低く、持続性に欠けているという問題も指摘されています。その解決策に関し、インティメックスグループのドー・ハー・ナム社長は次のように語りました。
(テープ)
「どうして地域内のインフラシステムと交通システムを結び付けないのか。結び付ければ、経済活動に有利な条件を作り出すことができます。これにより、企業間の連携も強化されます。ビンズオン省はその一例です。この省は工業インフラを他の地方に拡大させたいのですが、政策がなければ、できません。」
一方、東南部各省は繊維製品部門を発展させていく方針も打ち出しています。この部門は、全国の紡績縫製品輸出総額のおよそ60%を占め、この地域各省のメリットとなっていますが、更なる発展へ向けて、人材育成と原材料供給源の確保は差し迫った問題と見られています。
これに関し、ブー・タイン・トゥ博士は次のように述べています。
(テープ)
「ホーチミン市と各企業は、ファッションデザインや、デザイナーを育成する学校に投資する必要があります。ファッション産業団地の開発は、東南部地域での労働関係の改善にも役立つと思います。」
国際社会への参入は多くのチャンスをもたらしますが、これらのチャンスを活用するためには新しい力が必要とされます。そのため、今後、東南部各省は連携を強化し、競争力を向上させていかなければならないと指摘されています。