現在、ベトナムは、農・林・水産物輸出大国となっています。しかし、これらの製品は主に、素材としての輸出であり、高い付加価値をもたらすものではありません。こうした中、ベトナムは輸出品の付加価値作りに入れています。これは、政府の輸出発展戦略の重要な柱の1つと見られています。
ベトナムの輸出品の中で、コメ、コーヒー、ゴム、コショウ、繊維製品、革靴、パソコン、携帯電話など24品目の輸出額が10億ドルを越えました。しかし、輸出額は高いものの、素材としての輸出であり、生産用の原料・部品の現地調達率が低いことなどから、付加価値が高くないと指摘されています。
こうした中、各企業はこれらの弱点の克服に力を入れており、市場開発戦略の立案や、新しい技術・設備の導入などを進めています。これらは、輸出品への付加価値づくりや、持続的な発展に役立つ措置と見られています。
商工省貿易振興局のドー・キム・ラン副局長は次のような見方を示しています。
(テープ)
「少なくとも2020年まで輸出品目の構造や、優先分野を点検する必要があります。世界市場、特に、ハイテク市場に進出しようとするのであれば、すその産業への投資を強化しなければなりません。また、中小企業を優先対象と見做す必要があります」
この数年間、ベトナム政府は輸出品の付加価値づくりに力を入れています。2011~2013年期に、政府は、各省庁、地方、機関に対し、輸出品生産部門を点検し、潜在力の高い品目の生産を促進するよう支持しました。その目的は、輸出品の競争力の向上や、商標づくりなどとなっています。
ホーチミン市人民委員会のグエン・ティ・ホン副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「われわれは国内産の原材料の使用の強化などの措置を取っており、輸出品の付加価値の向上を図っています。また、ハイテク分野への投資の更なる誘致も目指しています。これらの措置により、製品の付加価値を作り、輸出市場を拡大させ、国内市場開拓を強化することができると期待されています」
これまで、政府と企業の努力は一定の楽観的な成果をもらしています。最近、農産物の安全衛生、品質などの面で厳しい市場と見られるアメリカがベトナムのライチと竜眼の輸入を決定し、マンゴーとミルクフルーツの輸入が検討中であることはその証と見られています。
これは、ベトナム製農産物に3億2000万人を持つ市場に進出するチャンスをあたえると評されています。さらに、今年8月に締結された日本へのマグロ輸出契約もベトナム農・林・水産物の輸出の促進にとって明るい兆です。
今年に入り、ベトナムの輸出活動は好転を見せています。農産物を素材として輸出することを制限し、輸出品に付加価値を作るために取り組むとともに、ベトナムは複数の貿易協定の締結に関する交渉を行っています。これらの協定はベトナムの輸出活動に大きな変貌をもたらすと期待されています。