2012年、ベトナムは経済面で様々な困難に直面しましたが、輸出が引き続き成長しています。
ベトナム商工省の統計によりますと、11月の輸出額は102億ドルに達しました。これにより、今年1月から11月までの同額は1040億ドルを超え、前年同期と比べ18・4%増加しました。
同省は「今年の輸出総額が1145億ドルに達し、国会が出した目標値を4・6%上回り、昨年比で18・2%増となる見通しだ」と予測しています。また、輸出額が10億ドルを超える品目の数は22となり、前年比で3品目増えたということです。
WTO=世界貿易機関が今年の世界の輸出額の増加率が5~6%の程度にとどまるとの予測を出している中で、これは望ましい成果とみられています。
他方、付加価値の高い製品の割合の増加も望ましいことだと評されています。商工省によりますと、輸出品目の構造も積極的に転換しており、繊維製品や農・林・水産物、履物、自転車など伝統的な品目のほか、ハイテク製品の割合も増加しています。これらは、電話や、携帯電話、電子製品とその部品、パソコンとその部品などです。11月には、これらの品目の輸出額が85億ドルに上っています。したがって、工業製品の割合が輸出総額の64・3%を占めているとしています。
バクニン省工業団地管理委員会のゴー・シー・バン(Ngo Sy Bang)委員長は次のように語りました。
(テープ)
「ハイテクプロジェクトを誘致していますが、ハイテク製品は輸出品の付加価値の向上に寄与しています。これは、ベトナムの輸出部門が素材・原材料輸出から加工製品や付加価値のある製品の輸出に徐々にシフトしていることを示す喜ばしい兆しです。また、これはベトナム製品の商標作りにも寄与します。今後、環境にやさしいハイテクプロジェクトに優遇措置を与える方針です」。
バン委員長はこのように語りました。
2012年に、外資系企業も高い輸出成長率を見せています。特に、機械・設備とその部品、および、トラックの輸出額は60%増となっています。外資系企業の輸出の増加は、ベトナムの輸出と輸入間のバランスをとることに寄与すると評価されています。
エコノミストのグエン・ミン・フォン(Nguyen Minh Phong)氏は次のように語りました。
(テープ)
「輸出市場が縮小しており、各国の貿易障壁が厳しくなっている現在、これらの結果は各企業の努力を示すものです。特に、複数の品目は輸出価格が低下しましたが、輸出量が増加しましたので、バランスは取れています。今後、企業はさらに輸出拡大に力を入れる必要があります」。
フォン氏はこのように語りました。
ベトナムは今後も輸出の促進に力を入れていきます。このため、日本やEU=欧州連合、アメリカ、ASEAN=東南アジア諸国連合など伝統的市場向けの輸出を拡大させると同時に、アフリカや南米諸国など新市場の開発を促進する方針です。