及川三晶（おいかわかずあき）

「ベトナムと世界をつないで80年」を通じて、VOV（ベトナムの声）の放送誕生から現在に至るまでの歴史を、メディアの視点から深く理解することができました。特に印象的だったのは、2011年12月6日に多言語対応の公式サイト「vovworld.vn」が開設されたことです。
当時すでにBBC、VOA、CRIなどが多言語対応サイトを展開していましたが、そこにVOVが加わったことで、国際放送の世界に新たな存在感を示しました。日本語放送の充実した内容や多彩なコンテンツがオンラインで配信されるようになり、リスナーとして私はベトナムの文化や歴史への理解を一層深めることができました。これはまさに、デジタル技術の恩恵によるものです。
現在のVOVは、国際報道や文化交流の分野で高く評価されており、過去にはアジア太平洋放送連合（ABU）などから賞を受けた実績もあります。2024年には、国際ニュースの選定や地域間協力の促進など、影響力のある活動が報道され、世界各地から2万1380通ものメッセージが寄せられたことが番組内でも紹介されていました。これは、VOVが国際放送局として視聴者から強く支持されている証です。
私はVOVを50年近く聴き続けてきましたが、特にこの5年間のデジタル技術の進化を追い風に、VOVが目覚ましい発展を遂げていることに深い敬意を抱いています。VOVのジャーナリストの皆様、そして放送局のさらなるご発展を心より願っております。