(VOVWORLD) -アンザン省チョモイ県ロンディエンア村にあるチョトゥ(Cho Thu)木工村は、有名な木工村の一つとして知られています。
写真提供:新聞「An Giang」紙 |
数十年前から西南部各省の住民は主に木工で生計を立ててきました。匠の技が求められる職業でありながら、多くの浮き沈みを経たにもかかわらず、地元の木工職人は、この職業を維持、次世代に伝えるように、毎日のようにユニークな木工製品の製造に夢中になっています。
現地住民の高齢者によりますと、昔、南方の森林には、ローズウッド(紫檀)や、ドウシェなどの貴重な樹木がありました。これらの木材は仏壇、机、椅子、ベッドなどに用いられていました。そのほか、家の柱、小船に使われる樹木は至るところに植えられました。
そこで、中部と北部の木工職人は南部に移住し、木工に従事しながら、この職業を教え、ホーチミン市や、ビンズオン省のトゥザウモット市、およびライティエウ居住地区などに木工村を成立させました。
アンザン省チョモイ県ロンディエンア村にあるチョトゥ(Cho Thu)木工村は、有名な木工村の一つとして知られています。チョトゥ木工村は1892年に成立し、祭壇、箪笥、机、椅子などの家庭用品や、観光向けの美術木工工芸品を製造しています。およそ2000人の職人を擁する1000箇所余りの工場を持つチョトゥ木工村は2006年に、アンザン省人民委員会から伝統工芸村として認定されました。それ以来、木工は、チョモイ県にある4つの村でも拡大されました。
写真提供:新聞「An Giang」紙 |
木工職人であるチャン・ミン・ドアンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「チョトゥ木工村は130年余りの歴史を誇っています。伝統的な木彫り工芸と融合したことにより、芸術的価値の高い製品を製造しています。以前、すべての工程は手作業で行われましたが、現在では、すべての木材工場で電動のこぎりを使用しています。私が木工に従事して数十年が経ちました。主に、顧客の注文で、室内装飾木工製品を製造しています」
他方、ライブン県ロンハウ村にある木製ボートを作る「バダイ」村は、100年の歴史を持っています。この村は2015年に、文化スポーツ観光省によって「国の無形文化遺産」として認定されました。高齢の木工職人であるグエン・バン・トットさんは、「伝統的木工の維持と発展に取り組むことは、金儲けを目的とするのみならず、責任であると同時に、木工の独自性を保存することが狙いである」と明らかにし、次のように述べています。
(テープ)
「ベトナムでは『数多くの田畑を所有していれば、手に職をつける必要はない』という昔からの言葉がありました。私が、木工に従事するようになって4代目です。先祖代々から伝えられた伝統工芸であるから、それを維持し、子孫に教えたいです。優れた木工職人になるためには、仕事を愛し、夢中にならなければなりません」
一方、数十年間にわたり、木工に従事した職人であるグエン・ミン・トアンさんは、14歳になったときから木工にたずさわりましたが、8年後には、熟練した職人になったと明らかにし、次のように語っています。
(テープ)
「見た目も美しく、優れた木工製品を製造するためには、器用さと細心の注意が求められます。この仕事は勉強しても、うまくできない人もたくさんいましたよ。以前、椅子や、箪笥を作っても、すべての工程は手作業で行われ、大変でした。今は、機械化を進めたため、楽になっていますよ」
多くの木工職人は仕事を愛しているだけでなく、この工芸を守りたいようです。手先の器用さと仕事に没頭することは、素朴な木製の板を日常生活に有益な製品につくりかえます。