(VOVWORLD) -中部トア・ティエン・フエ省フォンディエン県ケーモン村は、ベトナムの貴金属細工職業の発祥地であると見なされています。
資料によりますと、ケーモン村は14世紀に、設立されました。当時、村人は、主に農作業と漁獲で生計を立てたようです。
ある日、貴金属細工職人のカオ・ディン・ドさんが、ケーモン村の傍に流れているオラウ川を渡って、遭難しました。直ちに、ドさんは、ケーモン村の住民に救われました。後に、村人の恩に報いる為に、彼は、村人に金細工の職業を教えることにしたということです。
あれから200年経ちましたが、現在までも、ケーモン村の住民たちは、その職業を維持しています。ケーモン村の貴金属細工製品は、主に、ネックレス、指輪、耳飾りなどの金と銀の装飾品です。ベテラン職人の手先の器用さで、これらの製品は、質が高く、巧妙に施されています。
文化歴史研究者のチャン・ダイ・ビンさんは次のように語りました。
(テープ)
「ケーモン村の住民たちは、自らの手先の器用さで、精巧な貴金属細工製品を造っています。彼らが造った製品は、結婚式や宗教活動などに主に用いられています。」
これまでに、ケーモン村の数千人が、国内各地のほか、世界各国にも赴き、貴金属細工の生計で立ててきました。現在、アメリカのテキサス州にもケーモン村が営む貴金属細工の店40箇所があります。
貴金属細工職人の一人チャン・ズイ・モンさんへの取材様子 |
貴金属細工職人の一人チャン・ズイ・モンさんは、この職業を始めたのは18歳頃でしたが、60歳を越えた現在も、この仕事に夢中になっています。
(テープ)
「私は、ケーモン村の出身者です。私たちは、毎年、この伝統職業を顕彰する儀式を行います。私たちは、いつもこの職業の維持と発展を望んでいます。」
フエ市を訪れる観光客は、ベトナム最後の王朝がフエに置かれるグエン朝王宮を見学するだけでなく、貴金属細工を体験することも出来ます。