(VOVWORLD) -稲の作付面積320万ヘクタールを有する南部メコンデルタ地域は、毎年、全国の稲収穫量の半分とコメ輸出量の9割を納めています。これは、国家の食料安全保障に貢献するだけでなく、世界上位のコメ輸出国になるベトナムの役割と地位の維持に寄与しています。こうした成果を収めるためには、この間、地域内の行政当局と農民たちは、農業部門の再構築や科学技術の導入などを集中的に行ってきました。
カントー市トイライ県ディンモン村に住むファン・ティエン・カンさんは、1.7ヘクタールの稲の作付面積に科学技術を導入し、優良品種の種もみを使った結果、いつもの高い収穫量を遂げるようになっています。彼は、他の17人の農民と共に、稲協同生産組合に参加しており、生活の安定化や食料安全保障のために、科学技術の導入、良質のタネモミ選択が大切な要素であることを深く認識しているからです。カンさんの話です。
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「以前、農民たちはIR50404品種を栽培していましたが、現在は、その代わりに、高品質の品種を使用しています。この品種は、害虫に強い一方、高収穫量を遂げ、また、高い価格で販売されますから。」
この数年間、カントー市農業部門は、農業生産の再構築に集中し、それぞれの地方の土壌や天候に適する植物の栽培と動物の飼育を行ってきました。また、生産用水が‘不足している地方は作物を栽培していますが、生産用水が十分な地方は、稲作をします。農業部門は、高品質の種もみの選択を助ける任務があります。カントー市農業局のファム・チュオン・イエン副局長は、「地元における稲の作付面積は20万ヘクタールですが、年間の収穫量は130万ないし140万トンに達している。」と明らかにし、次のように語りました。
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「農業部門は、稲の作付面積と食料安全保障を確保するために、植物転作を集中的に行います。つまり、稲の栽培効果が上がらない地域は、果物や作物の栽培、あるいは、水産物の養殖を行うことです。」
メコンデルタ地域の稲研究所のチャン・ゴック・タック所長は「現在、メコンデルタ地域における稲の作付面積は320万ヘクタールで、年間の収穫量は240万ないし250万トンに達している。この数は、食料安全保障を確保するだけでなく、ベトナムのコメ輸出に大きく貢献している。しかし、この地域は、毎年、気候変動や塩害、干ばつなどの影響を受けることから、コメの生産を左右している。」と明らかにし、次のように述べています。
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「これらの被害を受ける地方は、他の植物の栽培、または、水産物の養殖をします。また、稲の栽培に適している場所は、農業部門の勧告を遵守しなければなりません。」
気候変動や干ばつ、塩害が深刻に発生する背景の中で、食料安全保障の確保は、全ての国にとって重要な問題の存在です。