(VOVWORLD) -今年の12月10日、ベトナムはUNCLOS1982=1982年の国連海洋法条約の締結42周年を記念します。
(写真:baochinhphu.vn) |
UNCLOS1982は海洋におけるすべての活動を規制する包括的な法的枠組みであり、海洋のガバナンスにおいて重要な歴史的価値があります。ベトナムは過去42年間、この条約の履行に絶え間なく努力してきました。
UNCLOSが1982 年 12 月 10 日に正式に調印され、1994 年 11 月 16 日に正式に発効しました。現在、UNCLOSの加盟国は 168 か国になっています。 1994年、ベトナムはUNCLOSを批准し、この条約を批准する63番目の国となりました。
重要な法的枠組み
1982年の国連海洋法条約は海と海洋に関する憲法とも呼ばれ、国連憲章についで2番目の重要なグローバルな国際条約とされています。この42年間、1982年の国連海洋法条約は世界における海洋の管理における重要な法的基礎としての役割を果たしてきました。この条約を基礎に、海域で発生してきた10件もの紛争が解決されてきました。ベトナムのグエン・ミン・ブー外務次官は次のように語りました。
(テープ)
「1982年の国連海洋法条約の誕生により、海域を享受する権利に関する包括的規制が策定されたほか、海域を確立する基礎も定められました。これは、各国が海域に対する主権と管轄権を確立するための基礎であり、条約の解釈と適用に関して国家間で生じた紛争だけでなく、平和的手段で紛争を解決するためのメカニズムも規定しています」
1982年のUNCLOS はIMO=国際海事機関 、ICAO=国際民間航空機関 、FAO=食糧農業機関を始め、国際機関が海事、航空、国際貿易、海洋安全保障、海産物の管理、保全、漁業開発、海洋環境保護に関する政治文書や国際条約を公布するための最も重要な法的枠組みでもあります。
ベトナムは1982年のUNCLOSの積極的な加盟国
ホアンサーとチュオンサ群島など、大小数千の島々を擁するとともに3千キロメートルの海岸線を持つ沿岸国であるベトナムは、海に関連した多くの恩恵を受けています。海の重要性を認識したベトナムは1982年の国連海洋法条約の履行に全力を尽くすとともに国際社会と協力して、海洋における開発と協力を促進し、公正な秩序を構築するため決意を固めています。
政治・安全保障情勢が複雑に推移している背景の中で、ベトナムは法の支配と国際法の尊重という自らの選択肢を繰り返し主張しています。2023年~2025年の任期におけるアジア国際法協会の会長を務めるファム・ラン・ズン外交アカデミーの理事長代理は次のように述べました。
(テープ)
「世界各国は1982年の国連海洋法条約を含め、国際法の役割と価値を日増しに重視しています。1982年の国連海洋法条約は海と海洋で実施されるすべての活動を対象に法的枠組みを確立しました」
科学技術が急速に発展し、海洋資源の管理と開発に関する需要が高まっている背景の中で、1982年の国連海洋法条約の履行には多くの試練が発生しています。
そのため、ベトナムは、1982年の国連海洋法条約を海の平和的かつ持続可能な管理と利用に適用するとともに、国内の法制度を絶えず改善しています。特に、「2030年までのベトナムの海洋経済の持続可能な発展のための戦略、2045年までのビジョン」に、ベトナムが海の強みを利用して、強固で豊かな国になり、海洋分野における協力を強化し、1982年の国連海洋法条約を始め、国際法を基礎に、平和的措置でベトナム東部海域、いわゆる南シナ海に発生する紛争を解決するという目標を掲げています。
ベトナムが1982年の国連海洋法条約を締結してから30年が経ちましたが、この条約の価値は日増しに高まっており、ベトナムはこの条約の履行にたゆまず取り組みます。