(VOVWORLD) - この80年間、ベトナム人民軍は常に中核的な勢力として、全党、全国民と共に独立、自由を勝ち取るための民族解放闘争、国家統一、祖国建設防衛事業における輝かしい戦功を収めてきました。また、国土と国境を堅固に守ることに加え、ベトナム人民軍は多くの国際義務を果たし、発展のための平和で安定した環境を維持し、平和構築に貢献しています。
80年前の1944年12月22日、北部山岳地帯カオバン省のチャン・フン・ダオ森で、現在のベトナム人民軍の前身であるベトナム宣伝解放軍が誕生しました。
この80年間、ベトナム人民軍は常に中核的な勢力として、全党、全国民と共に独立、自由を勝ち取るための民族解放闘争、国家統一、祖国建設防衛事業における輝かしい戦功を収めてきました。また、国土と国境を堅固に守ることに加え、ベトナム人民軍は多くの国際義務を果たし、発展のための平和で安定した環境を維持し、平和構築に貢献しています。
国際義務
アビエイ高校の改修工事の落成 写真提供:qdnd.vn
|
アビエイ高校は、国連アビエイ暫定治安部隊に所属するベトナム工兵隊の駐屯地の近くにあります。アビエイはスーダンと南スーダンの境界線上の係争地です。それ以前、学校の教師と生徒は、さまざまな物資が不足した状況で授業を行っていました。校長のサティノ氏は次のように述べています。
(テープ)
「私たちは図書館がなく、机や椅子が非常に不足しています。いくつかのクラスでは、生徒が自分の椅子を教室に持参し、授業が終わったら、その椅子を家に持ち帰って家庭で使用することもあります。また、教室も不足しています。さらに3つの教室が必要です」
こうした困難を見極め、ベトナムの第1工兵隊は、派遣団の木製コンテナを利用して地元の生徒たちのために机や椅子を作ったり、清潔な水のタンクを提供したり、井戸を掘ったり、新しい教室を建設したりしてきました。ある女子生徒は嬉しい気持ちを表し、次のように話しました。
(テープ)
「教室はとてもきれいで、ベトナムの軍隊が新しい教室を作ってくださったことに感謝しています。この新しい教室で学ぶことができ、とても嬉しいです。この教室には窓があり、古い教室とは全く違った光景が見えます。新しいものをたくさん見て、何と呼ぶのかわからないものもありますが、本当に嬉しいです」
ベトナム平和維持副局長と第3工兵隊 アビエイ高校の学生に贈り物 写真提供:qdnd.vn
|
新しい教室があったものの、大洪水の後、学校への道は泥っぽい状態になりました。これをみて、ベトナムの工兵隊の将校や兵士たちは、子供たちのために学校への道を整備することにしました。
200メートルの道路が工事されました。工兵隊はまた、約100立方メートルの土を追加して、約400平方メートルの運動場の床を高くしました。アビエイに駐屯しているベトナム第1工兵隊のグエン・チー・ズン中尉は次のように語りました。
(テープ)
「このところ、私たちが住民の集落を通り過ぎると、住民たちから手を振ったり、笑顔をしたり、してくれます。とても幸せに感じます」
200メートルの道は長くありませんが、それは知識への道です。ベトナムの工兵隊は、子供たちの未来への道を開くために力を尽くしています。
アビエイは、平和な時代に、国際義務を果たすベトナム人民軍の兵士たちが活動する場所の一つに過ぎません。10年以上にわたり、国連平和維持活動に参加して、ベトナムはおよそ900人の将校や専門軍人を派遣しています。
これは、ベトナムが「国際社会の友人で、信頼できるパートナーであり、積極的かる責任あるメンバーとなるよう願っている」という精神で、国際社会に対し、平和と安全保障を維持する責任を果たすことへのコミットメントを示す証です。
国連平和維持活動に積極的に参加するベトナム人民軍の兵士たちは、ホー・チ・ミン主席の軍人としての素晴らしい人間性と、ベトナム人民軍の輝かしい伝統を証明し、人類の平和な生活に貢献する用意があることを示しています。
平和構築に向けて協力と世界統合 促進
国家発展に向けた、平和な環境を守るため、ベトナム人民軍は祖国の建設と防衛の任務を果たすだけでなく、他国の軍隊との協力活動も積極的に展開しています。
ザン国防相とラオスのチャンサムソン大将、および国境警備隊員 写真提供:qdnd.vn |
第2回ベトナム・ラオスの国境友好国防交流は、去る10月下旬に開催され、国境標識の染色や、友好の植樹、共同パトロール、友好施設の落成など多くの活動が行われました。これらの活動は、両国の軍隊と国民の友情、および団結の証となっています。ベトナム駐在ラオス国防武官であるヴィエンサイ・スーリヴォン大佐は次のように述べました。
(テープ)
「国境友好国防交流は、今年の両国間の重要な国防外交活動の一つであり、両国の国防省間の協力計画の内容を展開するために非常に重要な意義を持っています。また、両国の党、軍隊間の従来からの団結と包括的な協力をさらに強化・発展させていくことが狙いです」
ザン国防相と中国の董軍国防相 ラオカイ検問所訪問 写真提供:qdnd.vn |
これに先立つ4月に、第8回ベトナム・中国国境友好国防交流が中国、雲南省の河口国境検問所とベトナムのラオカイ国境検問所で開催され、ベトナムと中国の国境地帯の人々に喜びと信頼をもたらしました。
(テープ)
「両国の党、国家、軍隊に心から感謝します。間違いなく、ベトナム・中国の団結はますます強固になり、中国とベトナムの国境地帯の関係が密接になるでしょう」
「我が村の全ての人々はとても嬉しいです。この文化会館で文化交流や歌舞公演、スポーツ交流などが行われ、とても楽しかったです」
国境友好交流は定期的に開催され、ベトナムと隣国との効果的な協力モデルとなっています。国防省のホアン・ズアン・チエン次官は次のように語りました。
(テープ)
「交流の成功は、陸上の国境を接している隣国との友好と団結、実質的な協力を促進し、平和で友好的な国境を築き、共に発展していくというベトナム人民軍の党中央委員会と国防省、地方行政府、特に国境防衛にあたる部隊と人々の政治的決意を示しています」
防衛展示会の準備演習
|
「平和・協力・発展」というメッセージで、年末にベトナム国際防衛展示会がハノイで開催されています。この展示会は、国際協力を強化・拡大し、国防外交を進め、ベトナムと各国との信頼を深めることを目的としています。また、平和な世界を共に築くために、国防外交政策や方針を共有するためのものでもあります。
1万平方メートル以上のスペースに、約500種類の「メイドinベトナム」の武器、装備、技術ソリューションをはじめ、およそ40カ国の軍事装備や国防産業の製品が展示されています。これは、2022年の初回以来、ベトナムが開催する2回目の展示会であり、規模が大きくなり、参加国の数も増加しました。その中には、ロシア、アメリカ、中国、インド、日本、韓国、イギリス、フランス、ドイツなど、国防産業が発達した多くの大国が参加しています。
(テープ)
「展示会に参加するのは今回が2回目です。壮大さに非常に印象を受けるとともに、多くの国の企業が参加していることに驚いています。多くの有望なパートナーは我々の製品に興味を持って訪れています」
「皆さんが展示しているものに非常に興味があります。この軍事展示会は本当に印象的だと思います。」
国際防衛展示会は、ベトナムにとって、他国の軍隊との協力関係をさらに強化する機会となっています。
ベトナム国防省によりますと、現在、ベトナムは世界100の国々と国防協力関係を結んでいます。また、33カ国で国防代表事務所を、他の41カ国と国連を兼轄する国防代表事務所を設置しています。
そのほか、ベトナムは地域および世界の軍事・国防協力メカニズムやフォーラムに積極的に参加しています。ベトナム国防省所属外交局長のブー・タイン・バン少将は次のように語りました。
(テープ)
「これらのフォーラムで、ベトナムは発展と平和な世界の到来を願うというメッセージを発信し、地域および国際問題に対するベトナムの役割と責任を強調します。また、ベトナムは各国との友好協力関係を促進し、地域および世界の安全保障の維持に貢献したいという強い意欲を示しています」
近年、ベトナムの国防外交は、ベトナムが平和を愛する国家であり、国際社会における積極的で責任あるメンバーであるというイメージを確立することに貢献してきました。
第3部:平和を目的にした国防政策
国際義務の遂行、対話の強化、各国の軍隊との交流と協力の拡大は、ベトナム人民軍の平和的で自衛的な国防政策の具体的な表れです。
ベトナムの国防外交は正しい路線と適切な段取りにより、ベトナム人民軍と関係各国が平和的な手段、協議、相互理解を基礎に、課題を解決し、相違点を縮小できるため、適切なメカニズムを作り出しました。ベトナムのファン・バン・ザン国防大臣は、「ベトナム人民軍は平和の目的で、国際統合と地域および世界各国の国防省や軍隊との協力の強化を望んでいる」と強調しました。ザン国防大臣の話です。
(テープ)
「ベトナムは、「軍事同盟に参加しない」、「ある国と手を組み、別の国と対立しない」、「武力による威嚇、または武力行使によって問題を解決しない」、「外国の軍事組織が自国領土に駐留することを許可しない」という4つの原則に基づく国防政策を実施しています。これは、我が国の独立、主権、領土保全を維持するための正しい路線です」
2022年、アメリカ戦略国際問題研究所で発表を行った際、フアム・ミン・チン首相は次のように語りました。
(テープ)
「交渉と対立の間で、我々は交渉を選びます。また、対話と衝突の間で、対話を、平和と戦争の間では、平和を選びます。協力と競争の間いで、我々は協力を選びます。ただ、競争は健全で平等であり、お互いの正当な権利と利益を尊重するものでなければなりません。変動が激しく、戦略的競争と多くの選択肢がある世界に、ベトナムはどちらかの側を選ぶことではなく、国際法を基礎に、正義、公平、公正、道理を選択します」
ベトナムのこのような方針は世界各国の高評を得ています。ベトナム駐在アメリカの元国防武官であるトーマス・スティーブンソン氏は次のように語りました。
(テープ)
「4つのノー」という国防外交政策の実施により、ベトナムは著しい発展を遂げてきました。現在、ベトナムはほとんどの大国と包括的な戦略的パートナーシップを結んでおり、他の大国とも良好な関係を築いています。経済も高いスピードで成長しています。これらの理由から、ベトナムがとっている政策が非常に効果的なものだと思っています。これはアメリカとベトナムとの関係が今後も引き続き発展していくことを意味します」
長い歴史の中で、ベトナムは国の独立と自由を勝ち取るため、多くの戦争を経験してきました。これにより、ベトナムは平和の価値を深く理解し、国の独立、自由、主権、領土保全を確保する決意を固めています。また、ベトナムはあらゆる国も平和、自由、繁栄、幸福を享受するよう願っています。
リスナーの皆さん
世界各国とともに、平和を構築することは、ベトナム人民軍の終始一貫した政策です。国内の平和な環境を確保するための努力、国際義務の履行、国連平和維持活動への参加は、ベトナムが平和な世界の実現に向けて、平和的で自衛的な国防政策を継続し、各国との友好協力関係を促進するための基盤となっていることでしょう。