デジタル化がベトナムの発展を加速

(VOVWORLD) - ベトナムは、デジタル化と先端技術の活用を通じて、新たな成長の原動力を生み出そうとしています。グローバル化が進む中、ベトナムはこれを経済競争力向上の鍵と捉え、積極的に取り組んでいます。
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その成果は、すでに行政サービスの分野で顕著に表れています。例えば、ベトナム社会保険は、全ての行政手続きをオンライン化することで、処理時間を86%も短縮しました。これにより、市民は24時間365日、迅速に社会保険サービスを利用できるようになりました。また、約1万3千の医療機関が社会保険システムと直接連携し、健康保険の手続きがスムーズになりました。ベトナム社会保険のグエン・テー・マイン総裁は次のように述べています。

(テープ)

「デジタル化が進めば進むほど、行政手続きの簡素化の余地が広がります。私たちは、データの連携と共有を基盤に、市民向けの手続きをさらに効率化し、市民と企業に最速かつ最も使いやすいサービスを提供することを目指しています」

経済分野でも、デジタル化の効果は目覚ましいものがあります。電子商取引の売上高は2021年の137億米ドルから2023年には205億米ドルに大幅に増加し、地方の特産品(OCOP)のオンライン販売が農村部の収入向上に貢献しています。さらに、キャッシュレス決済の普及も進み、成人の87%が決済口座を保有するまでになりました。

ベトナム企業のデジタル製品輸出も急成長しており、世界の大手テクノロジー企業がベトナムへの投資を拡大しています。税関総局の発表によりますと、ベトナムのデジタル製品輸出額は2021年に1135億ドルでしたが、昨年には1173億ドルまで増加しました。さらに、今年の上半期だけでも649億ドルを記録し、前年同期と比べて23%もの大幅な伸びを示しています。経済専門家のヴォ・チー・タイン博士は次のように述べています。

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「デジタル経済の真の価値は、実体経済の成長を促進することにあります。ベトナムがデジタル化とデジタル経済の発展を絶好の機会と捉えているのは、後発国である我々が先進国に追いつき、さらには並走できるチャンスだからです」

政府も、AI人工知能を重要な技術分野と位置付け、2030年までにASEAN地域のAI革新センターになることを目指しています。党中央経済委員会委員長を務めるチャン・リュー・クアン副首相は次のように強調しています。

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「ベトナムの党と国家は、AIの重要性を十分に認識しています。そのため、AI技術の研究、開発、応用を促進するための様々な政策や指針を打ち出してきました。首相も2030年までのAI国家戦略を発表し、AIをベトナムの重要な技術分野として位置づけています。この戦略の目標は、2030年までにベトナムをASEAN地域におけるAIソリューションと応用の革新拠点にすることです」

各地方もこの動きに呼応し、中部ダナン市では5000人の半導体エンジニアの育成、中部ビンディン省ではAIセンターの建設など、具体的なプロジェクトが進行中です。ビンディン省人民委員会のファム・アイン・トゥアン委員長は次のように語りました。

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「AIセンターは、ビンディン省の技術エコシステムの中核となります。ここでは、高度な人材の育成や研究が促進され、重要産業分野へのAI応用に焦点を当てた活動が行われることになるでしょう」

ベトナム政府は、2030年までに電子政府とデジタル経済の分野で世界のトップ50カ国、ASEAN内で3位に入ることを目標としています。この野心的な目標に向けて、ベトナムは国を挙げてデジタル化を推進しており、それが国の発展を大きく後押しすると期待されています。

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