ベトナム 社会的関心の高い違法事件の調査・告訴を進める

(VOVWORLD) - 社会主義的法治国家の構築を目指すベトナムは違法行為を厳格に処分する方針です。中でも、国民の関心が高い違法事件の調査、告訴を進めています。

2021年末、チュオン・チャウ・ヒュー・ザイン容疑者は「自由および民主を乱用し、国家・組織・個人の合法的な利益を侵害した」という罪で禁錮14年6か月の判決が下されました。ザイン容疑者は、「清潔なメディアづくり」というスローガンを掲げたものの、ファンページやSNSソーシャルネットワークサービスを利用して、国の政策や主張を歪曲した中傷を繰り返してきました。

一方、2022年3月24日、ホーチミン市警察は、ダイナム株式会社(Dai Nam Corp)の社長グエン・フオン・ハン容疑者(51歳)を「自由および民主を乱用し、国家・組織・個人の合法的な利益を侵害した容疑」で逮捕しました。ダイナムは、東南部地方ビンズオン省にある巨大テーマパーク「ダイナム公園」を開発・運営しています。ハン容疑者夫婦は同テーマパークのほか、同省に広大な土地を保有し、不動産業界の大富豪として知られています。この2年、ハン容疑者は自身の財力や影響力を利用し、これまでに行った数百回ものライブ配信の中で、芸能人や記者をはじめ多くの人の私生活に関連する未確認情報を流して非難し、名誉と尊厳を侵害したほか、自身と対立する人の自宅に人を送って脅迫するなどして複数の省・市で治安びん乱を繰り返していたとされます。

そして、2022年3月29日、公安省は大手不動産会社FLCグループのチン・バン・クエット会長の自宅と職場の捜索を実施し、株価操作容疑で起訴・逮捕しました。公安省によりますと、クエット容疑者は複数の容疑者と共謀して、FLC株の売買を繰り返し行う形で株価を操作し、不正利益を得ていました。その結果、投資家に巨額の損失を被らせ、証券市場に悪影響を及ぼしたとしています。

ベトナム当局が、社会的関心の高いこの3件に対し法律に従って徹底的に処分するという姿勢は国民の支持を得ています。汚職防止対策中央指導委員会のヴォ・ヴァン・トゥオン副委員長は次のように語りました。

(テープ) 

「この3件への対応は社会へのインパクトがあると思います。これらの事件は党の路線・主張、国の法律に違反するだけでなく、世論をないがしろにしたからです。当局は厳格かつ適宜に対応していると思います」 

一方、国会国防安全保障委員会のチン・スアン・アン委員は次のように語りました。

(テープ) 

「これらの事件に対し党は厳格に指導しました。経済的、社会的地位の高い人物であっても、優遇せず、法に従って処すべきです。法の支配は最高の原則ですから」 

ベトナム当局は今後も、違反行為を厳格に処しながら、法による支配の下、社会主義的法治国家を構築する方針です。

ご感想

他の情報