ベトナムのASEAN加盟30周年:努力の歩み

(VOVWORLD) - 7月28日、ベトナムがASEAN=東南アジア諸国連合に正式加盟してから30周年を迎えました。
ベトナムのASEAN加盟30周年:努力の歩み - ảnh 1去る3月、インドネシアで行われた記念式典で、トー・ラム書記長夫妻とASEANのカオ・キムホン事務総長夫妻が、ベトナムのASEAN加盟30周年を祝ってケーキカットを行った  写真:TTXVN

1995年7月28日、ブルネイの首都バンダル・スリ・ブガワンにおいて、ベトナム国歌が力強く響き渡る中、ベトナム国旗がシンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ブルネイの他の加盟国6カ国とともに掲げられ、ベトナムはASEANの7番目の加盟国となりました。
この出来事は、ベトナムの地域および国際社会への統合における重要な節目であり、ASEAN創設者が描いた「平和と繁栄を共有する統一された東南アジア」というビジョンの実現に向けた一歩でもありました。
ASEAN10の実現に向けた触媒
その後、ASEANは1997年にラオスとミャンマー、1999年にカンボジアを迎え入れ、ASEAN10という構想を実現しました。ASEANのカオ・キムホン事務総長はベトナムがその拡大において触媒的役割を果たしたと評価しています。
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「ベトナムの地域格差是正への取り組みは、2001年の『ハノイ宣言』に明確に表れており、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーのASEAN経済への本格統合を強調しています。さらに、1998年、2010年、2020年の3回にわたるASEAN議長国としてのベトナムのリーダーシップは、ASEANの方向性を定める上で大きな役割を果たしました」
また、ベトナムはASEANの対外関係の強化と多様化に積極的に貢献してきました。2025年のASEAN議長国を務めるマレーシアのサラ・アル・バクリ・デヴァダソン大使は、次のように話しました。
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「30年間にわたり、ASEANの経済統合、貿易自由化、市場開放、政治的コンセンサスの強化において、ベトナムの貢献は不可欠です。ベトナムは域内の結束のみならず、対外関係強化においても橋渡しの役割を果たしています」
ASEANの未来を形づくる
今年、ASEANは「ASEAN共同体ビジョン2045」を採択し、今後の共同体形成においても、ベトナムに対する期待は高まっています。オーストラリアのASEAN大使ティファニー・マクドナルド氏は次のように語りました。
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「ASEAN内外の多くの場面でベトナムと緊密に連携しています。ハノイ宣言2020はASEANの長期的なビジョンの実現に貢献しました。2045年ビジョンの採択にもベトナムの主導的役割があります」
一方、ASEAN内外で多くの課題が山積する中、複数の国は、ベトナムがASEAN内でより大きな役割を果たし、域内と対話パートナー諸国との橋渡し役となることに期待を寄せています。日本の木谷(きや)・雅彦(まさひこ)ASEAN大使は、次のように述べました。
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「インド洋と太平洋を結ぶ海上交通の要衝に位置するベトナムは、安全保障面でも経済面でも重要なパートナーです。とくにサプライチェーンの再編が進む中で、ベトナムは製造業の中心としても存在感を高めています」
ASEAN加盟は、ベトナムにとって歴史的かつ戦略的に重要な決断でした。今後もASEANの発展に寄与することは、ベトナムの多国間外交における戦略的優先事項の一つとなっています。現在、ベトナムが優先しているのは、加盟国の団結と統一を強化し、ASEANの基本原則を堅持するとともに、域外国との関係を深め、ASEANの主体性、回復力、そして変化への適応力を高めていくことです。

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