(VOVWORLD) -現在、ベトナムで展開されている「政治システムの効率的、効果的な運営に向け、その組織構造の継続的な改革と再編に関する特定の問題」に関する党中央委員会の決議18号は、人材の育成に重要な役割を果たしています。
党中央委員会の決議18号に関する会議 |
決議は、国の発展に応えるための基盤を作るため、幹部・公務員・職員の見直しと再編成を行う必要があることを強調しました。
2024年10月31日に開かれた第14期党中央委員会候補幹部の研修会で、トー・ラム書記長は、「幹部育成と起用は極めて重要であり、すべてのことを決定するものである。幹部はあらゆる業務の根幹であり、革命の成否を左右する要因だ」と強調するとともに、「国を飛躍の時代へと導く有能な幹部の育成は喫緊の課題である」と述べました。
合理的な人員削減と人材の有効活用を両立
近年、ベトナムの幹部政策では年齢・性別・民族・分野などのバランスに配慮した構成が進められ、計画的な人材育成により、世代間の円滑な継承が図られています。とはいえ、人員配置や組織再編だけでなく、革新的な思考と行動力を持ち、責任を引き受けることのできる模範的な幹部の育成が必要とされています。こうした要求に応えるため、第18号決議は、公務員・職員を含む幹部の質を高め、効率的な運用を図ることを総合目標の一つとして掲げています。
2024年12月に開催された第18号決議の総括会議で、トー・ラム書記長は、「組織機構のスリム化は、単なる人員削減ではなく、任務にふさわしい資質と能力を備えた幹部の再構築と一体で進めなければならない」と強調しました。さらに、トー・ラム書記長は「不要なポストの撤廃、非効率な業務の削減により、重要分野や本当にふさわしい人材への資源集中を図るべきだ」と指摘しました。新しい組織体制の導入にあたっては、再編前後を見据えた幹部の研修・能力向上計画が不可欠であると述べました。これに先立つ2024年11月19日の総括会議でも、トー・ラム書記長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「機構のスリム化と、それに見合った幹部の再構築を同時に実施し、適正な人員配置とともに、採用・研修・昇進・任命・異動・評価といった幹部政策を抜本的に改革すべきです。幹部評価においては“聖域”や“例外”を設けず、適切な選別メカニズムによって、資質・能力・信用に欠ける者は職務から外し、優秀な人材には積極的にチャンスを与える体制を築く必要があります」
人材革命
生前、ホー・チ・ミン主席は幹部と幹部育成の重要性を常に強調し、その中で、「幹部はすべての仕事の根本である」「すべての成功も失敗も、幹部の質によって決まる」と述べ、道徳と才能を兼ね備えた人材の構築こそが、人材政策の核心であると明らかにしました。現在ベトナムが進める組織機構のスリム化と人員削減の取り組みは、党と政府が持つ一貫した指導方針、高いコンセンサス、そして揺るぎない政治的決意の表れと言えます。
トー・ラム書記長の指導の下進められている政治体制改革は、「人材革命」とも言えます。これは、組織のあらゆる側面における抜本的改革を通じて、人材という国の最も貴重な資源を最大限に引き出し、国が飛躍の時代に入ることを可能にする「推進力」を作り出すためのものです。この「スリム化革命」を成功裏に進めることは、国の発展を加速させる基盤となり、そして最終的には、「豊か国民、強固な国、公正で民主的かつ文明的な社会主義国家ベトナム」の建設を目指すものです。ベトナムはいま、多くのチャンスと大きな可能性に恵まれる一方で、極めて厳しい課題にも直面しています。その中で、十分な能力を持った幹部の構築は、次の発展段階における国の発展目標の達成のカギとなるでしょう。