日本・韓国との鉄道協力:ベトナム鉄道の飛躍的発展への道

(VOVWORLD) - ベトナム鉄道業界は、アジアを代表する鉄道先進国である日本と韓国との強力なパートナーシップにより、大きな発展の機会を迎えています。日本の新幹線や韓国のKTXといった世界最先端の高速鉄道技術を取り入れることで、ベトナムは近代的で効率的な鉄道システムの実現に向けて着実に歩みを進めています。
日本・韓国との鉄道協力:ベトナム鉄道の飛躍的発展への道 - ảnh 1ベトナムと韓国の鉄道協力に関するMOUの調印式

ベトナムは約3000kmの鉄道網を有していますが、その多くは老朽化し、増加する輸送需要に十分対応できていません。こうした状況を打開するため、ベトナム政府は近代的で安全かつ効率的な鉄道インフラの構築を目指し、交通システムの大規模な近代化を推進しています。特に注目すべきは、全長1541km、総投資額約670億ドルと見積もられる南北高速鉄道計画です。この壮大なプロジェクトは、ハノイとホーチミン市間の移動時間を大幅に短縮し、地域経済の発展を促進するとともに、国全体の交通網を有機的に結びつける重要な役割を担うことが期待されています。

2025年3月末に開催されたベトナム・韓国鉄道協力フォーラムにおいて、韓国の朴相宇(パク・サンウ)国土交通部長官は両国の鉄道分野における新たな協力関係の構築について力強く語りました。朴長官によりますと、韓国は2004年に初のKTX高速列車を開通させて以来、20年以上にわたり高速鉄道を発展させてきました。KTXは単なる交通手段にとどまらず、韓国の経済成長と技術革新の原動力となり、現在では韓国は高速鉄道技術を自国で開発できる世界で4番目の国となっています。朴長官は次のように述べました。

日本・韓国との鉄道協力:ベトナム鉄道の飛躍的発展への道 - ảnh 2韓国の朴相宇(パク・サンウ)国土交通部長官

「ベトナムが計画している南北高速鉄道は、将来のベトナム経済の強力な推進力となるでしょう。また、これはベトナムがASEANの中心的存在となるための重要な転換点にもなります。韓国は高速鉄道の建設から運営に至るまで、全工程においてベトナムと協力する用意があります。技術移転や専門家育成においても積極的に支援していきます」とのことです。

この協力関係を具体化するため、ベトナム建設省と韓国国土交通部の関係機関は複数の協力覚書を締結しました。韓国鉄道公社とベトナム鉄道総公社は「ベトナム鉄道協力プロジェクト」に関する覚書に署名し、また韓国鉄道産業協会とベトナム建設業協会も両国の鉄道分野における企業間の協力促進に向けたMOU基本合意書を交わしました。

一方、新幹線技術で世界をリードする日本との協力も着実に進展しています。2025年3月初めに正式開通したホーチミン市の地下鉄1号線(ベンタイン-スオイティエン線)は、日越協力の象徴的な成果です。この路線はベトナム初の地下区間を含む地下鉄であり、最先端の建設技術が数多く導入されています。日本政府からのODA資金と国内資金を組み合わせて実施されたこのプロジェクトは、両国の経済協力の重要な柱となっています。

日本・韓国との鉄道協力:ベトナム鉄道の飛躍的発展への道 - ảnh 3ホーチミン市の地下鉄1号線の開通式

地下鉄1号線の開通式に出席したJICA国際協力機構の宮崎桂副理事長は、「このプロジェクトは着工から開通まで17年という長い歳月を要したが、ついにホーチミン市民の期待に応えることができた」と述べました。さらに宮崎氏は、他の都市鉄道路線の計画も進められており、JICAは引き続き支援・協力を行う用意があると強調し、次のように語りました。

(テープ)

「今後も、ベトナムやホーチミン市から要請があれば、ホーチミン市だけでなくベトナム全土の都市鉄道発展に喜んで協力します。JICAはベトナムの発展を継続的に支援していきたいと考えています」

日本と韓国はいずれも世界有数の鉄道技術大国であり、技術提供や設備導入だけでなく、システムを効率的に運営・保守するための専門人材育成においてもベトナムに大きく貢献することができます。

これまでの成果を基盤に、ベトナムと日本・韓国の鉄道協力は新たな発展段階に入ろうとしています。これらの鉄道プロジェクトは単なる交通インフラの整備にとどまらず、国家間の緊密な協力と深い友好関係の象徴でもあります。近代的な鉄道システムの構築は、ベトナムの社会経済発展を加速し、国民生活の質を向上させ、国際社会への統合を促進する強力な原動力となるでしょう。関係各国の強い決意と協力により、ベトナム鉄道業界の未来はますます明るく、新時代における国家発展の大きな推進力になると期待されています。

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