(VOVWORLD) -では9月5日からの一週間の主な国際ニュースをまとめてお伝えします。
*朝鮮民主主義人民共和国の6回目の核実験を受けて4日に開かれた国連の安全保障理事会緊急会合では、石油の禁輸を念頭に「最強の(制裁)措置」を主張する米国や日本と、対話の重要性を強調する中国、ロシアの溝が改めて浮き彫りになりました。11日の追加制裁決議案の採決に向けた水面下の折衝が始まりましたが、中露は連携を強化しながら制裁強化の動きをけん制しており、難航が予想されます。
*中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議は5日、アモイでの3日間の会談日程を終え閉幕しました。朝鮮民主主義人民共和国の核実験が国際社会を揺るがす中、中国政府、メディアは10月の共産党大会に向け、習近平国家主席による「大国外交」の成果を演出することに腐心し続けました。
最終日はBRICSにタイやギニアなど途上国5カ国の首脳を加えた対話会議を開催しました。習氏は閉幕の記者発表で「より公正な国際秩序の建設を推進しなければならない」と強調しました。
*子供の時に親に連れられて米国で不法移民となり、そのまま米国で暮らす若者をただちに強制退去させないオバマ前米政権による救済制度について、ジェフ・セッションズ米司法長官は5日、撤廃する方針を発表しました。米国で生活する約80万人が影響を受ける恐れがあり、バラク・オバマ前大統領はこの決定を「残酷」で「間違っている」と批判しました。
子供時代に米国に到着した不法移民の強制退去を遅らせ救済する制度(DACA)にすでに登録している人たちは、少なくとも6カ月は直接影響を受けませんが、新たな申請はできなくなります。DACA制度に登録した若者は「ドリーマー」と呼ばれ、就労や通学が認められました。その大多数が、ラティーノ(中南米系)とされています。
これについてトランプ政権は、議会承認を得ない大統領令による制度なので、違憲だと主張していました。ドナルド・トランプ大統領は選挙中から移民対策に強硬路線をとり、当選すればDACAを撤廃すると公約していました。
DACA撤廃を発表したセッションズ司法長官は、オバマ政権が大統領令で2012年6月に導入したDACA制度は「移民法を無期限に回避する施策」だと批判しました。
*大型ハリケーン「イルマ」は9日午後、キューバからゆっくりと北上して米南部フロリダ州へ向かった。同州は暴風雨や大規模な高潮への警戒を強めています。
イルマは最大風速約56メートル、5段階中「カテゴリー3」のハリケーンとしてフロリダ海峡に入った。今後再び勢力を強めながら時速約14キロで進み、現地時間の10日午前には同州南部沖フロリダキーズを直撃する見通しです。その後、州南西部の沿岸部を北上すると予想されています。
フロリダ半島からジョージア州南東部にかけての地域は13日までに最大500ミリの豪雨に見舞われる恐れがあります。フロリダ州西部では44メートルを超える暴風が予想されます。イルマの強風域は約18万平方キロと、フロリダ半島全体が入る範囲に及ぶとしています。
フロリダキーズや州全体の沿岸部に高潮警報が出ています。州南西部沿岸の高潮は3~4.5メートルに達する可能性があります。
フロリダ州の緊急対策当局によりますと、約650万人の住民に避難勧告が出されました。幹線道路は北へ向かう車で混雑し、一部で深刻なガソリン不足が起きています。
イルマはカリブ海の島に甚大な被害を与えた後、8日深夜にカテゴリー5の勢力でキューバを直撃しました。同国では風速計が破壊されるほどの暴風が吹き荒れ、高さ約7メートルの波が観測されました。
*メキシコ南部沖で7日起きた地震で、ロイター通信は10日、地元当局者の話として、死者が少なくとも90人に達したと報じました。震源地に近く最大の被害を出した南部オアハカ州フチタンでは大勢の人々が自宅前などで救援物資を待ちました。歴史的建造物として知られる市役所も屋根などが崩れ落ちました。
オアハカ州当局者によりますと、同州ではこれまでに71人の死亡を確認しました。フチタンでは約5千の住宅が崩壊しました。教会や学校も壁などが崩れ、街の至る所が通行止めになりました。政府の緊急事態宣言を受け、軍や警察が警備に当たっています。