EU離脱を巡る問題

(VOVWORLD) - イギリスのメイ政権は先週、EU=欧州連合離脱を巡り、難局打開のため超党派協議を進めていました。しかし、進展の兆候はほとんど見られず、野党労働党のコービン党首も依然、協議参加を拒否しています。

メイ首相は先週、保守党内の離脱強硬派指導者らと協議し、イギリスのEU関税同盟残留には同意しないと約束しました。

イギリス議会ではメイ首相がEUと合意した協定案が大差で否決されたことを受け、最大野党の労働党が内閣不信任決議案を提出しました。採決では閣外協力する地域政党が反対にまわった結果、賛成が306票、反対が325票で不信任案は否決されました。
不信任の事態を免れたメイ首相は、「責任を重く受け止める。議会の各勢力と協力し離脱を実現させることで、国民の信頼に応えたい」と述べ、直ちに野党各党の代表と面会し、意見を聞いたうえで、21日に修正した協定案を議会に提出するとしています。

メイ氏は超党派で国内の意見を固めたうえで、週末までにブリュッセルを訪問してEU側と再協議に臨む意向とみられました。

ただ、イギリス議会ではEUとの明確な決別を求める強硬離脱から2度目の国民投票による離脱撤回まで幅広い意見があり、一本化は容易ではありません。しかも、EU側は離脱案の再交渉を否定しており、イギリス側の代替案を受け入れるかは不明です。メイ政権が「合意なき離脱」を回避するため、3月末の離脱時期の延期を模索する可能性があります。

延長で最大の障害となるのは5月のEU議会選挙です。幾つかの国は欧州議会が選挙後初めて招集される7月初めまでイギリスが離脱を延期すると考えていました。また、イギリスが将来についてさらに詳細に計画を詰めるためさらに長い時間を与えるべきだとみる国もあり、最長で1年間とする声も聞かれました。

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