朝鮮半島の前向きな兆し

(VOVWORLD) - 先週、アメリカ・韓国・朝鮮民主主義人民共和国の首脳らが年頭演説を発表した後、朝鮮半島の非核化過程は、前向きな兆しを見せています。

朝鮮民主主義人民共和国の金正恩朝鮮労働党委員長が韓国大統領とアメリカ大統領に宛てた2つの書簡や発表した「新年の辞」は、朝鮮半島の非核化を巡る交渉の行き詰まりを打開する道筋を切り開いたものと見られます。

金正恩氏は、2018年31日、文在寅(ムンジェイン)大統領宛てに異例の親書を送りました。2019年に改めて南北首脳会談を行い、朝鮮半島非核化について話し合いたい考えを表明しました。また、3度目の南北首脳会談で合意した年内のソウル訪問が実現しなかったことを残念に思うと述べる一方、将来的な訪問に強い意欲をみせました。

そして、2019年1日、金正恩氏は、今年の施政方針に当たる「新年の辞」で、2回目のトランプ大統領との会談実現へ意欲を示しました。朝鮮半島の非核化意思を強調する一方、アメリカが経済制裁による圧力を続ける場合は「新たな道を模索する」とも警告しました。韓国には米韓合同軍事演習や、アメリカによる核兵器持ち込みを許容しないよう迫りました。

トランプ大統領は2日、金氏から受けた親書と「制裁維持」のポスターを同時に公開しました。トランプ大統領はこの日、新年を迎えて開かれたホワイトハウス閣僚会議で「たった今、金正恩氏から素敵な手紙を受けとった」として「われわれは朝鮮と多くの進展を成し遂げ、金委員長とわれわれはとても良い関係を築き、多くの良いことが起きている」と述べました。

マイク・ポンペオ米国務長官は3日、フォックス・ニュースとのインタビューで、「終わらせるべきことはまだたくさん残っているが、短期間でトランプ大統領と金正恩委員長が再び会う機会を持つものと確信している」と述べました。また「交渉戦略について詳しく語ることはできない」としながらも、「我々は金委員長とトランプ大統領が会って真の進展を成し遂げ、アメリカと世界に向けた脅威をなくすことができる条件を設定した」と述べました。2回目の首脳会談の前提条件または会談の時に実現すべき目標を設定したことを意味するものとみられます。

朝鮮半島で平和を模索するためには、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩委員長の善意、並びに韓国、アメリカの前向きな反応がなければならないとしています。

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