(VOVWORLD) -アメリカにおけるトランプ政権の関税政策に関する法的論争は依然として複雑な展開を見せており、先週、アメリカの控訴裁判所はドナルド・トランプ大統領に関税を課す権限がないとの判決を下しました。
(写真: THX/TTXVN) |
米連邦高裁は8月29日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき関税を課す行為は、大統領権限を逸脱し違法だと判断しました。政権側に最高裁へ上訴する機会を与えるため、10月14日までは関税を維持することを認めました。
高裁が取り上げたのはトランプ氏が4月に発動した相互関税と、2月に中国、カナダ、メキシコに対して発動した関税の合法性でした。トランプ 氏は1977年に制定されたIEEPAをこれらの関税の根拠としました。同法は国家緊急事態における異例の脅威に対処する権限を大統領に与えています。
トランプ政権の関税がロシア、中国、インドなどの接近につながっているとの見方は重視しない姿勢を示し、中国で開かれた上海協力機構の首脳会議を「パフォーマンス」と一蹴しました。インドや中国が「ロシアの軍事力に油を注いでいる」とし、「われわれと同盟国はいずれ行動を起こすだろう」と述べました。
また、トランプ政権は、すでにこの判決が敏感な通商交渉に損害を与えていると主張しています。訟務長官のジョン・サウアー氏は最高裁に提出した書面の中で、「大統領による関税措置の法的正当性を迅速に確定することが極めて重要であることを鑑み、可能な限り最大限に本件の解決を迅速化すべきだ」と記しました。
控訴審判決は、トランプ氏が国際緊急経済権限法(IEEPA)を用いて広範囲にわたる関税を課したことが、「権限の逸脱」であるという一審判決を支持しました。しかしながら裁判所は関税の即時撤廃は求めず、10月中旬までの継続を認めています。 サウアー氏は、11月初旬までに口頭弁論を実施するよう求めているとしています。