イスラエル極右2閣僚に制裁、豪・英など5カ国 パレスチナ人権侵害 米は反発

(VOVWORLD) - イギリス政府は10日、他の4カ国と共に、イスラエルのベングビール国家治安相とスモトリッチ財務相に対し、制裁を科したと発表しました。両氏は極右政党に所属し、パレスチナへの強硬姿勢で知られています。

制裁を科したのはイギリスのほか、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェーの5カ国で、資産の凍結や渡航の禁止が含まれています。

5カ国は共同で、両閣僚がヨルダン川西岸のパレスチナ人に対する暴力を繰り返し扇動したとして非難しています。

これに対し、アメリカのルビオ国務長官はSNS「X」で反発を表明しました。ルビオ氏は「この制裁は、ガザでの停戦、戦争の終結、人質の帰還に向けたアメリカ政府主導の取り組みを前進させるものではない」と述べ、「われわれはいかなる同等の考え方も拒否する。真の敵が誰であるかを忘れないようパートナーに注意喚起する」として、制裁の撤回を求めました。

5カ国の外相は共同声明で「ベングビール氏とスモトリッチ氏は過激派の暴力行為とパレスチナ人の人権に対する深刻な侵害を扇動してきた。こうした行動は容認できない」と述べ、制裁に踏み切った理由を説明しました。

そのうえで「今回の制裁は、ヨルダン川西岸でのイスラエル人入植者による暴力を抑止することが目的だが、ガザ情勢とも無関係ではない。必要最低限の援助の拒否を含め、市民の甚大な苦しみに引き続き強い衝撃を受けている。ガザやヨルダン川西岸のパレスチナ人の不法な移送、そしてガザ地区の領土縮小はあってはならない」と述べました。

また「イスラエルへのコミットメントに基づくイスラエル国民との強い友情」を維持する姿勢を強調し、ガザでの即時停戦、人質の即時解放、人道支援の拡大、そしてイスラエルとパレスチナが国家として共存する「二国家解決」の実現に引き続き取り組むと表明しました。

一方、イスラエルのサール外相は、2閣僚への制裁発動は「言語道断」だと非難し、政府は来週初めに特別会議を開いて「容認できない決定」への対応を協議すると述べました。(ロイター)

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