イラン外相、核施設被害を外交団に説明 対米協議の可能性にも言及
(VOVWORLD) - 爆撃を受けた核施設の被害状況については、なお多くの点が明らかになっていません。
イランのアッバス・アラグチ外相、2025年7月12日、テヘランで開催された各国大使を招いた会合で発言する(写真:Hamid Forootan/イラン外務省/WANA) |
イランのアラグチ外相は12日、アメリカやイスラエルから攻撃を受けたイラン中部の核施設について、放射性物質の拡散や現場に残る弾薬の爆発などの危険があるため、現在は近づくことができない状況であることを明らかにしました。
イランのメディアによりますと、首都テヘランの外務省で開かれた各国大使を招いた会合で、アラグチ外相が説明しました。イランが国際原子力機関(IAEA)への協力を一時停止する法律を施行したことについては、「協力関係を断ち切ったわけではない」と述べ、現地での査察を停止しているのは査察官の安全を考慮した措置でもあると強調しました。
爆撃を受けた核施設の被害状況については、なお多くの点が明らかになっていません。トランプ前政権は「完全に破壊した」と主張していますが、政権内でも見解が分かれているとされています。アメリカのニューヨーク・タイムズ紙は10日、イスラエル高官の話として、兵器級に近い60%の高濃縮ウランが依然として残っており、イランの核技術者が「アクセス可能な状態」にあると結論づけたと報じました。イラン側はこれまで詳細について明言していません。
アラグチ外相はまた、核問題を巡るアメリカとの協議について、「イランの核開発プログラムの平和的な性質を保証するためにも、交渉による問題解決はいまも可能だ」と述べ、協議再開の可能性に言及しました。ただし、協議が「再び紛争に引きずり込まれるようなことがあってはならない」とも訴えました。そして、ウラン濃縮は国家の権利であり、これを手放す考えはないという従来の主張を改めて強調しました。(朝日新聞)