タイとカンボジア 停戦後も非難応酬 合意維持なるかが焦点に
(VOVWORLD) - タイとカンボジアは、国境地帯での武力衝突をめぐって先月、停戦で合意しましたが、双方が停戦後も互いに攻撃を受けたなどと非難を繰り返しており、今後、停戦合意を維持できるかが焦点となっています。
2025年8月1日、タイ・シーサケート県で、主要国およびASEAN加盟国の外国軍事駐在武官らがタイ・カンボジア国境を視察する(写真:REUTERS/Chalinee Thirasupa) |
両国は、先月24日以降、領有権を争う国境地帯で武力衝突を続けていましたが、ASEAN=東南アジア諸国連合の議長国であるマレーシアなどが仲介し、衝突開始から4日後に無条件の停戦で合意しました。
合意を受けてタイ側は1日、日本やアメリカなどおよそ20か国の大使や駐在武官をカンボジアとの国境付近に招き、現場を公開しました。公開されたのは、砲撃により多数の死傷者が出たコンビニエンスストアや診療所などで、現場では遺影を持った遺族が被害の実情を訴えていました。
一方、カンボジア側でも1日までの2日間にわたり、軍が各国の大使らを国境地帯に招き、攻撃で被害を受けた寺院や家屋などを公開しました。
両国は、4日からマレーシアで国境管理のあり方などについて協議を行う予定です。ASEANの当局者によりますと、双方が停戦合意の維持に同意した場合、議長国マレーシアの主導のもとでASEAN加盟国からなる停戦監視団が設置される見通しです。
ただ、双方が停戦後も互いに攻撃を受けたなどと非難を続けており、合意を維持できるかが引き続き注目されています。
紛争によってタイとの国境近くにある自宅などが破壊されたというカンボジアの63歳の男性は、「私たちが一生かけて築いてきた財産が一瞬にしてなくなり、ショックだった」と語りました。そのうえで、「紛争を終わらせるために、国連など力のある組織や指導者に助けを求めたい」と訴えていました。(NHK)