フランス、9月8日に信任投票へ 予算削減巡り政権崩壊の危機

(VOVWORLD) - フランスのバイル首相は、大幅な予算削減案を巡って9月8日に国民議会(下院)で信任投票を実施すると発表しました。主要野党3党はいずれも支持しない意向を示しており、政権は崩壊の危機に直面しています。
フランス、9月8日に信任投票へ 予算削減巡り政権崩壊の危機 - ảnh 12025年8月25日、フランス・パリで、2026年度予算に関する記者会見で発言するフランソワ・バイル首相、(写真:REUTERS/Abdul Saboor)

極右政党・国民連合(RN)や緑の党は反対票を投じると表明し、社会党も支持できないとしています。信任投票に敗れれば、バイル政権は崩壊する見通しです。こうした不透明感を受けて投資家の不安が高まり、フランス国債の対ドイツ国債リスクプレミアムは5ベーシスポイント拡大し、6月中旬以来の高水準となりました。フランス10年債利回りも時間外取引で一時9bp上昇し、3.508%と3月以来の水準を付けました。

バイル首相は記者会見で「分極化した議会で信任を求めることはリスクが高い」としながらも、「何もしないことのほうがさらにリスクは大きい」と述べ、巨額の債務がもたらすリスクに言及しました。フランスの財政赤字はGDPの5.8%に達しており、EUの基準値のおよそ2倍に膨らんでいます。信任投票は、約440億ユーロ規模の予算圧縮案に対する支持を問うものです。

同案には、祝日の一部廃止や、2026年の福祉支出と税区分を25年水準で凍結しインフレ調整を行わないといった内容が含まれています。祝日の廃止については修正される可能性もあるとされています。

RNのバルデラ党首は「信任投票は事実上の政権の終わりを意味する」と発言。極左政党「不屈のフランス」も同様の見方を示しました。政権崩壊となった場合、マクロン大統領は新首相の指名、バイル氏による暫定政権の継続、あるいは解散・総選挙の実施といった対応を迫られることになります。(ロイター)

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