中国が再びドイツの最大の貿易相手に 輸入の増加で首位奪還

(VOVWORLD) - ドイツの対外貿易において、中国が再びアメリカを抜いて首位に返り咲いたことが、ドイツ連邦統計庁の速報データで明らかになりました。
中国が再びドイツの最大の貿易相手に 輸入の増加で首位奪還 - ảnh 12025年2月17日、ドイツ・ハンブルク港に停泊するコンテナ船(写真:REUTERS/Fabian Bimmer)

ロイター通信の試算によりますと、今年1月から8月までの対中貿易額は1634億ユーロ(約1907億ドル)、対米貿易額は1628億ユーロとなっています。中国は2023年まで8年連続でドイツの最大の貿易相手国でしたが、政治的な相違や不公正な商慣行を問題視したドイツが「脱中国」を進めた結果、2024年にはアメリカが首位に立っていました。

しかし、今年に入りトランプ政権が高関税政策を導入したことで状況が一変しました。1月から8月の対米輸出額は996億ユーロで前年同期比7.4%減少し、8月単月では23.5%減と、アメリカの関税強化による影響が深刻化しています。

ドイツ卸売・貿易業連合会(BGA)のディルク・ヤンドゥラ会長は、「アメリカの関税・貿易政策が販売減少の主な理由であることは間違いない」と述べ、自動車や機械、化学製品など、ドイツの主要輸出産業への需要が落ち込んでいると指摘しました。

ING銀行のグローバルマクロ部門トップ、カーステン・ブルゼスキ氏は、「続く関税の脅威とユーロ高の影響で、対米輸出がすぐに回復することはない」との見方を示しました。

一方で、中国への輸出は1月から8月にかけて13.5%減の547億ユーロとなり、アメリカ向けよりも減少幅が大きくなっています。その一方で、中国からの輸入は8.3%増の1088億ユーロと増加しました。

ブルゼスキ氏は、中国からの輸入品の多くがダンピング価格であると指摘し、「輸入の増加は中国依存の高まりを示すだけでなく、中国と競合するドイツ国内産業への圧力を強めかねない」と懸念を示しました。

ベレンベルク銀行のエコノミスト、サロモン・フィードラー氏は「国内経済が勢いを欠く中、世界市場の変化がドイツ経済の一部に悪影響を及ぼす可能性がある」と述べています。(ロイター)

ご感想

他の情報