（写真：REUTERS/Dado Ruvic）

EUは6月、中国市場において加盟国企業が公正なアクセスを得られていないとして、年間600億ユーロ（約700億ドル）相当以上の医療機器を調達する公的入札への中国企業の参加を禁止すると発表しました。これに対し、中国商務省は6月の時点で「必要な措置を講じる」と表明しており、今回の対応は報復措置と受け止められています。

また中国は、契約額の50％を超えるEU製部品を使用する他国からの医療機器輸入についても制限を設け、この措置は6日付で発効しました。

一方で、中国商務省は、EUが出資している中国国内の合弁企業による製品については、今回の制限の対象外とする方針を明らかにしました。

さらに同省は6日に発表した別の声明で、「残念ながら、中国の善意と誠意にもかかわらず、EUは独自の道を進み、制約的な措置を講じることで、新たな保護主義的障壁を築いた」と述べ、「そのため中国には相応の対応を取る以外に選択肢はなかった」と主張しました。

この件に関し、北京にあるEU代表部にもコメントを求めましたが、現時点では回答は得られていません。

中欧間の貿易を巡っては、EUが中国製の電気自動車（EV）に対する関税を強化する一方、中国側もEUからのブランデー輸入に対する関税を引き上げるなど、対立が激しさを増しています。（ロイター）