国連総会でガザ特別会合 アラブ諸国が「即時停戦」呼びかけ
(VOVWORLD) -国連総会(193カ国)は26日、パレスチナ自治区ガザ情勢について緊急特別会合を開きました。安全保障理事会が大国による拒否権の応酬で暗礁に乗り上げる中、会合は2日間にわたって続き、イスラエル軍やイスラム組織ハマスに「即時停戦」を求める決議案を27日に採決にかけます。
(写真:AFP/TTXVN) |
ガザ情勢をめぐる緊急特別会合の開催は、2018年以来5年ぶり。この日は13カ国・地域の代表が演説しました。
パレスチナ自治政府のマンスール国連大使は「ガザではこの2週間で3000人の子どもたちがイスラエルに殺された」と訴え、「イスラエル市民の殺害に対する答えは、パレスチナ市民の殺害ではありません。復讐(ふくしゅう)は行き詰まっている」と指摘しました。「どうか命を救ってください」と繰り返し、決議案への賛同を訴えました。総会の決議に法的拘束力はないが、193カ国の総意を示す政治的な重みをもちます。
決議案はアラブ諸国を代表してヨルダンが提示しました。ガザ市民への人道支援の速やかな実施を求めています。ハマスやイスラエルを名指しした非難は含まれていませんが、双方に民間人に対する攻撃を禁じた国際人道法の順守を要求しました。
ヨルダンのサファディ外相は「怒りで暴力の無益さに盲目であってはならない。同胞の痛みに冷淡になってはならない。我々は人種、国籍、宗教に関係なく、すべての民間人の殺害を非難する」と強調しました。「イスラエルは総会のいかなる決議も無視することは周知の上だ」とけん制し、参加国に「平和のために団結しよう」と呼びかけました。
一方、イスラエルのエルダン国連大使は壇上でタブレット端末を取り出し、自国に侵入したハマスの戦闘員がタイ出身の農業従事者を殺害する場面とする映像を示し、「私たちが今目撃した悪を表現する言葉はない」と言及しました。「これはパレスチナ人との戦争ではない」とした上で、「がんを治す解決策はただ一つ、すべてのがん細胞を摘出することだ」と主張し、イスラエルが掲げる「ハマス一掃」の正当性を説きました。(mainichi.jp)