強まる言論統制、デモ姿消す 政府「国家安全守る」―香港返還28年
(VOVWORLD) - 「『一国二制度』の下、国家安全をしっかりと守る」。香港政府トップの李家超行政長官は、記念式典でこのように述べました。
2025年7月1日、イギリスの旧植民地であった香港が中国に返還されてから28周年を記念するイベントで、香港と中国の国旗を掲げる市民たち(写真:REUTERS/Tyrone Siu) |
中国・香港は1日、イギリスから中国に返還されてから28年を迎えました。香港国家安全維持法(いわゆる国安法)の施行から5年が経過し、言論統制が一層強まる中、返還記念日の恒例だった民主派団体による大規模なデモは、今年も実施されませんでした。市内では多数の中国国旗や香港旗が掲げられ、政府は祝賀ムードの演出に努めました。
「『一国二制度』の下、国家安全をしっかりと守る」。香港政府トップの李家超行政長官は、記念式典でこのように述べました。しかし、かつて認められていた高度な自治は、次第に形骸化しているとの見方も出ています。
また、李行政長官は、スパイ行為などを取り締まる新たな国家安全条例が昨年3月に施行されたことに触れ、「歴代政権が達成できなかった歴史的任務を成し遂げた」と述べ、自らの功績を強調しました。(時事通信)