欧州熱波で8人死亡、森林火災や原発停止など事態深刻化
(VOVWORLD) - ヨーロッパでは2日も初夏の熱波が複数の地域を襲い、スペインで4人、フランスで2人、イタリアで2人のあわせて8人が死亡しました。
2025年7月2日、ドイツ・ベルリン市内中心部の噴水で猛暑の中、水遊びを楽しむ若者たち(写真:REUTERS/Lisi Niesner) |
各地で健康警報が発令され、森林火災が相次いで発生したほか、スイスでは原子力発電所の原子炉が停止するなど、影響が広がっています。
スペイン当局は、カタルーニャ州で前日に発生した山火事で2人が死亡したほか、エストレマドゥーラ州とコルドバ州でも熱波に関連した死者が出たと発表しました。
フランスのエネルギー大臣は、熱波の影響で2人が死亡し、300人が病院に搬送されたと明らかにしました。
イタリアでは、18の都市に最高レベルの「赤色」猛暑警報が発令されました。ドイツの一部地域でも気温が今年最高の40度に達するとの予報が出されています。
トルコでは、今週初めに発生した複数の山火事の影響で5万人以上が一時避難を余儀なくされましたが、当局は火災がほぼ鎮火したと発表しています。一方、スペインのカタルーニャ地方で2日に発生した火災では複数の農場が焼失し、鎮圧までに延焼面積はおよそ40キロに及んだということです。
スイスの電力大手アクスポは2日、河川の水温が上昇したことを受けて、ベツナウ原子力発電所の原子炉1基を停止し、もう1基については出力を半減したと発表しました。原子力発電所では、河川の水が冷却などに使われるため、今後も水温の推移を監視しながら運転制限を継続する見通しです。
また、ドイツの調査会社アリアンツ・リサーチは、熱波が地域経済に与える影響について報告書を公表し、「猛暑は2025年の経済成長を0.5ポイント押し下げる可能性がある」と指摘しました。さらに「気温が32度を超える日は、ストライキが半日続いた場合と同程度の経済的損失が出る」とも分析しています。(ロイター)