米、イスラエルに「人道的中断」要請 ハマスを非難「民間人を盾に」
(VOVWORLD) -ブリンケン米国務長官は3日、イスラム組織ハマスとの戦闘が続くイスラエルの中部テルアビブで記者会見しました。
ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃が激化し、ガザの人道危機は日増しに深刻化しています。ブリンケン氏は、イスラエルのネタニヤフ首相らとの会談で戦闘の「人道的な中断」を要請したと明かしました。
ただ、ネタニヤフ氏は会談後のテレビ演説で「勝利するまで我々は止まることはない」と強調しました。ハマスが拘束した人質が解放されない限り「いかなる一時的な停戦も拒否する」と述べ、攻撃を続ける考えを示しました。ブリンケン氏によりますと、米イスラエル両政府は中断のあり方を継続して協議することで合意しましたが、人道支援を行うために戦闘を止められるかは不透明です。
ブリンケン氏は会見で、ガザ地区への人道支援を効果的かつ継続的なものにし、規模を拡大する必要があると強調しました。ネタニヤフ氏らと「人道的な中断によって、いかに支援を最大化するか、人質解放にどうつなげるか、ハマスに有利に働かないようどうすべきかなどを話し合った」と説明しました。「準備や調整に時間がかかる」とし、両政府の担当チームが引き続き協議するといいます。
ブリンケン氏はまた、ハマスが司令部や武器庫などを住宅や学校、病院の中や地下に設置して「民間人を『人間の盾』として利用している」と非難しました。民間人の犠牲は許されないとして「ハマスを壊滅させるとともに民間人の被害を最小限に抑えるため、最高の友人にしかできない助言をイスラエルに提供した」と言及しました。詳細については明らかにしませんでした。
バイデン政権はハマスとイスラエルの戦闘について、停戦ではなく「人道支援拡充のための一時的で局地的な中断」(米政府高官)を求めています。(mainichi.jp)