米、ガザ人道支援へイスラエルとエジプトと合意 数日内に物資搬入 アラブは病院爆発を非難
(VOVWORLD) -イスラエルを訪問したバイデン米大統領は現地時間18日、パレスチナ自治区ガザにエジプト側から支援物資を搬入するための同意をイスラエルとエジプトから得たと発表しました。
(写真:EPA/EFE) |
米政府高官は数日以内に実現すると説明しました。イスラエルはガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘激化後に「ガザ完全封鎖」を宣言、食料や医薬品などが不足しており人道危機が深刻化しています。
多数が死亡したガザの病院爆発を受け、アラブ諸国はイスラエル非難を強め、抗議デモも拡大しました。これに対してイスラエルはハマスとは別の過激派の誤射だと訴え、バイデン氏もこの見方に同調しており、地域の緊張は高まっています。
イスラエル首相府も支援物資搬入を認める考えを示しましたが、ハマスに物資が渡らない保証を求めています。ハマスの介入があれば搬入を中断するとしました。
バイデン氏はエジプトのシシ大統領とも電話会談し、ガザ境界にあるラファ検問所の物資通過を限定的に認めるとの確約を得たと説明しました。最大トラック20台分で、ガザ側で国連機関が物資を受け取るといいます。ガザなどに向けた1億ドル(約149億円)の人道支援も表明しました。今週イスラエル軍事支援へ「前例のない」規模の予算を議会に要請する方針も示しました。
19日にはホワイトハウスの大統領執務室から国民向けに演説し、ハマスの攻撃やロシアのウクライナ侵攻への対応について説明します。
病院爆発を巡り、バイデン氏はイスラエル中部テルアビブでネタニヤフ首相と会談後「ガザのテロリスト集団が発射し、軌道を外れたロケット弾により引き起こされたようだ」と記者団に述べました。根拠は「米国防総省のデータ」だと説明しました。
イスラム協力機構(OIC)は18日、サウジアラビアで緊急の外相会合を開き、イスラエル軍が病院を標的に攻撃したと強く非難する声明を発表しました。(共同)