ボリッチ下院議員（写真：AFP/TTXVN）

カスト氏は敗北を認めました。ピノチェト軍事独裁から民政に移管した１９９０年以降続いた中道路線から、かじを切ることになります。

中央選管当局によりますと、開票率９９．８％時点でボリッチ氏が５５．９％を得票しました。カスト氏は４４．１％にとどまっています。ボリッチ氏は「私はすべての国民のための大統領になる」と勝利宣言しました。カスト氏はツイッターで「ボリッチ氏に電話で祝意を伝えた。きょうから彼は当選者だ」と表明しました。
選挙では、社会格差の拡大や脆弱な年金制度、２０１９年１０月の反政府暴動以降、悪化した治安への対策などが争点となりました。学生運動指導者出身のボリッチ氏は、新自由主義の見直しや、富裕層への課税強化を主張。豊富な天然資源への国家関与強化を目指しています。弁護士のカスト氏は、新自由主義の継続と減税、移民管理の厳格化などを唱えました。
ボリッチ氏は「極右」と言われるカスト氏を、圧政を敷いた故ピノチェト氏になぞらえて批判しました。カスト氏はボリッチ氏を「共産主義者、全体主義者」と攻撃しました。（時事）