ハノイの蓮茶づくり

(VOVWORLD) -毎年、5月から9月の終わりまで、ハノイを始め、ベトナムのいたるところで蓮の花が咲き誇りますが、特に香りがいい時期は6月から7月頃までです。

ベトナム人は昔からお茶に様々な香りをつける習慣がありますが、その中でも、蓮茶は最も有名でしょう。蓮茶作りはハノイの独特な文化となっています。今日のこの時間はハノイの蓮茶づくりについてお伝えします。

毎年、5月から9月の終わりまで、ハノイを始め、ベトナムのいたるところで蓮の花が咲き誇りますが、特に香りがいい時期は6月から7月頃までです。その時期には蓮の花を採らなければなりません。そのため、蓮茶作りはこの2ヶ月間が最盛期となります。

蓮の花は夜に咲き、昼前には閉じてしまうため、摘み取り作業は早朝から行われます。ハノイで蓮畑が最も多いのは旧市街から約4,5キロ離れたところにある西湖の周辺です。昔から、この湖の周辺にあるクアンバー村、ギータム村などは蓮茶づくりの村として伝統的工芸を持っています。

朝早くから、蓮茶を作る人々は小舟に乗って、ゆっくりと蓮田を移動して、膨らんだ蕾を次々に摘み取っていきます。そうして手にした摘みたての蓮の花の香りが逃げないうちに蓮茶作りは始まります。

ハノイの蓮茶づくり - ảnh 1(写真:laodong.vn)

蓮茶作りに必要なのは、「ガオゼン」(gao sen) と呼ばれる雄(お)しべの先の葯(やく)の部分です。まずは、ビンクの美しい花びらを外し、黄色の蜂の巣型の部分と雄しべだけの状態にしてしまいます。次に雄しべの先の白いガオゼンを優しく指で撫(な)でながら、外して集めていきます。潰(つぶ)さないようにそっと優しく、しかし、香りが逃げないように手早くのは必要です。

丁寧に集めたガオゼンは、蓮の花100個分でやっと、蓮茶100g分の香りをつける事ができる量です。すべてが手作業のため、量産はできません。

続いては、茶葉に香りをづける工程です。緑茶とガオゼンを交互に敷き詰めて1日置いた後、7〜8時間蒸気で煎り、乾燥させていきます。この作業を15日かけて7回行い、ようやく蓮茶が完成します。
また、連茶づくりの他の簡易な方法として、花の蕾をこじ開けて、直接、おちょこ1杯分の茶葉を入れ、香りが逃げないように蓮の葉でチマキ状に包みおくという方法です。
このやり方で作られた連茶は柔らかい香りが特徴ですが、お茶の葉が蓮の花の湿気を吸うため、あまり日持ちせず、作った翌日以降、早めに楽しまなくてはなりません。

蓮茶づくりに使うお茶はベトナムの有名なお茶の産地として知られている北部タイグェン省タンクオン地区に栽培されているお茶でなければなりません。ハノイ市テイホー地区に住むグエン・テイ・ザンさんは現在、蓮茶づくりに従事している数少ない人々の一人です。ザンさんは次のように語りました。

(テープ) 

「蓮茶づくりに使うお茶は完全に乾いたものでなければなりません。連茶1キロを作るために、蓮の花千個を使用しますよ」

ハノイの蓮茶づくり - ảnh 2 (写真:laodong.vn)

連茶づくりは手間がかかることから、連茶を味わうと蓮の花の香りを十分に実感でき、味わう人の心地が落ち着くようになる感じです。ハノイを題材にした多くの作品を執筆した作家グエン・チュオン・クイさんは次のように語りました。

(テープ) 

「連茶の香りは幻想的であり、嗅覚を使う個人的なものです。これは感性的な考えを重視する文化的な特徴です」

連茶づくりと連茶の味わうことに関する精細さにより、連茶づくりはハノイの独特な文化の一部となってきました。

現在、若者を始め、ハノイの人々は様々な種類のお茶を飲んでいますが、彼らは連茶を重視し、その作り方を維持、保存しています。近年、多くの若者たちが連茶づくりに関心を寄せるようになり、連茶の伝統的つくり方の維持、発展に力を入れています。その中の一人はハノイに住んでいるグエン・ホアン・ディップさんです。

ハノイの蓮茶づくり - ảnh 3 (写真:laodong.vn)

毎年、蓮の花が咲く季節になると、ディップさんは若者たちが連茶づくりを体験できるように、連茶づくり教室を開いています。ディップさんの話です。

(テープ) 

「ハノイの西湖に植えられている蓮の花は大きくて、連茶づくりに適しています。そのため、今日、若者たちに対し、この蓮の花を使って、連茶づくりを指導しています」

近代的な生活の中で、ハノイの多くの人々は連茶の清潔な香りを味わいたいのです。月日は経ちましたが、ハノイの人々は昔からの伝統的連茶づくりを維持、保存しています。

以上、ハノイの蓮茶づくりについてお伝えしました。では、今日のこの時間はこのへんで失礼します。

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