北部ハイズオン省はホン川デルタの中心地にあり、ベトナム文化の揺籃の地の一つとされています。ハイズオン省は長い歴史をもつ地方ですが、現在、経済発展の潜在力が豊富に恵まれているとされています。

ハイズオン省の省都ハイズオン市は首都ハノイから東へ約60キロ離れた所にあります。昔から、この地は向学心が高い土地とされています。封建時代の科挙試験にハイズオン省出身の合格者が多くいます。特に、ビンザン県モーチャク村は博士の村」と呼ばれ、封建時代にこの村出身の博士は39人にのぼっています。ハイズオン省には文廟もあります。これはこの地方の向学心の高さの表れと言えます。ハイズオン省出身の多くの博士は政治、軍事、文学、外交などの分野に価値が高い作品を残しました。

このような長い歴史をもつハイズオン省は観光発展に豊富な潜在力を持っています。現在、同省には歴史文化遺跡およそ2000ヶ所もあり、その中の125ヶ所が国家レベルの遺跡と認定されました。特に、ハイズオン省にはコン・ソン・キェップ・バク( Con Son Kiep Bac) という遺跡群があります。ここにはベトナムの有名な軍事指揮者であるチャン・フン・ダオ、文化人ではグェン・チャイ、そして、優秀な教師であるチュ・バン・アンにかかわる多くの遺跡があります。コン・ソン・キェップ・バク遺跡群管理委員会のレ・ズイ・マイン( Le Duy Manh) 副委員長は次のように語りました。

（テープ）

「ハイズオン省の東部に位置するコン・ソン・キェップ・バクはハイズオン省を含め、北東地帯の宗教・信仰の中心地として知られています。この遺跡群はハノイの前身であるタンロン都からベトナム仏教の中心地とされているイェントゥ寺へ到る道の途中にあします。」

ハイズオン省の東部には歴史遺跡が多く残されているだけでなく、多くの伝統的祭りがある土地としても有名です。年初にはタインハ県ドンゴ寺で、鐘を叩く祭りがあります。そして、旧暦8月に、キェップ・バック神社祭りがあります。これはベトナムの大規模な祭りの一つです。この祭りに参加する人々は見越しを見学できるほか、独特な民間遊戯に参加することができます。

また、ハイズオン省はホン川デルタにおけるベトナムの伝統的歌劇ハットチェオの発祥の地の一つの他、トウン、チョンクアンなど、ベトナムの他の伝統的歌劇や水上人形劇も維持、保存されています。現在、ハイズオン省の多くの地方で水上人形劇が上演されています。その一例として挙げられるのはホンフォン村のものです。ホンフォン村の水上人形劇団の団長ファム・バン・トン( Pham Van Tong) さんは次のように語りました。

（テープ）

「ホンフォン村の水上人形劇は野良仕事や日常生活などを反映しています。地元の人々は農業生産をするかたわら、祭りになると水上人形劇を上演しています。これは地元の人々の精神生活において、重要な役割を担っています」

肥沃な土壌に恵まれたハイズオン省は多くの特産品があります。例えば、キンモン県とカムザン県のもち米、タインハ県のレイシなどです。その他、ハイズオン省では石や木材の彫刻、金銀細工、陶器などを生産する伝統的職業村も多くあります。

現在、ハイズオン省の人々は昔から伝わる伝統的文化や価値を継承した上で、豊かな故郷の建設に取り組んでいます。