ランソン省における子どもに対する不発弾・地雷回避教育
ベトナムでは、戦争で残された多くの地雷や不発弾により、4万人強が死亡、6万人あまりが負傷しています。その被害者のうち3割は子どもです。こうした状況を前に、全国各地では、青少年を対称にした不発弾・地雷回避教育活動は重視されるようになりました。
中国と接する北部ラン・ソン(LangSon)省チャン・ディン県コックカイン村は様々な困難があり、さらに、土壌に埋められている巨大な地雷・不発弾により多くの危険にさらされている村です。これまでにに、村では、18人が地雷・不発弾により死亡しました。そこで、コックカイン中学校で行われた不発弾・地雷回避教育コースには数多くの生徒、教師及び現地住民が参加してきました。このコースは、「2010年~2025年戦後の地雷・不発弾克服国家行動プログラム」指導委員会と政治総局・宣伝訓練局によって共催されました。
現場の肉声
ここで、地雷爆弾処理技術センターのグェン・ホン・ソン上佐は教師と、生徒に、爆弾や地雷などの爆発物の区別のし方や爆発物を発見した際の処理方法を案内しています。
中学生のホアン・バン・カインさんは、次のように明らかにしました。
(テープ)
「このコースを通して、私は人間に対する地雷や爆弾などの危険性について深く理解するようになりました。また、私は、地雷・不発弾の処理方も身に付けるようになりました。地雷や不発弾を発見したら、そこに印をつけて、大人や軍隊に知らせます。このコースで得た知識を両親や親戚にも伝えます。」
コックカイン中学校のダム・ビック・ヒエップ校長は「この間、同校は地雷や爆弾などの危険性に関する宣伝啓蒙活動を積極的に行ってきた。」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「子供らは森林へ牛や水牛を連れに行く際に、爆発物を発見した時もあります。そのため、私たちは、生徒たちにそれらの爆発物に触らないように警告しました。このコースで、教師と生徒らは、地雷や爆弾の見た目や形などについての知識を高め、その危険性や回避の方法を身に付けるようになると思います。これにより、地雷や爆弾などの危険性に関する宣伝啓蒙活動がさらなる効果を遂げることでしょう。」
地雷爆弾処理技術センターのグェン・ホン・ソン上佐は「不発弾・地雷回避教育のコースは重要な意義があります。というのは、被害者は主に不発弾や地雷の危険性や回避方法に関する知識は十分浸透していなかった人々である。子どもたちは、十分な知識や正しい行動を身に着けておらず、興味本位で拾ってきては遊んでしまうのだ。」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「子供たちが不発弾や地雷の危険性を深く理解してもらいながら、好奇心を失うために、不発弾の見方や形、そして、不発弾は子どもの視点から見てどのような危険があり、それに対してどのような行動を取るべきかについて教えなければなりません。これまでに、私たちは、戦争により多くの不発弾が埋められている中部クアンチ省、テイグェン地方などで、不発弾や地雷の危険性や回避の方法に関する宣伝活動を行ってきました」
現在、各地方における地雷や不発弾の回避教育活動は不発弾や地雷の危険性に関する子供の知識を高めることができました。これにより、地雷や不発弾による被害者の子供の数は遥かに減ってきました。
ベトナムではわたって戦争による不発弾や地雷の完全処理は300年間かかると予測されています。ですから、子供に対して不発弾や地雷の危険性とその回避教育活動は差し迫った課題となっています。