フン・ロ古い村:フン王崇拝の信仰と伝統文化が息づく場所

(VOVWORLD) -この地は歴史的・文化的価値の高い遺跡群であり、「ベトナム建国の祖」フン王時代の伝説、フン王崇拝の信仰、そして古代民謡「ソアン」の芸術と深く結びついています。
フン・ロ古い村:フン王崇拝の信仰と伝統文化が息づく場所 - ảnh 1フン・ロ村の集会所の光景(baophutho.vn撮影)

ベトナム民族の発祥地とされる北部フート省を巡る旅の途上、多くの人々は300年以上の歴史を持つロー川沿いのフン・ロ古い村を訪れます。この地は歴史的・文化的価値の高い遺跡群であり、「ベトナム建国の祖」フン王時代の伝説、フン王崇拝の信仰、そして古代民謡「ソアン」の芸術と深く結びついています。紀元前7世紀から紀元前2世紀までのフン王時代、フン・ロ村はチャン・カー・ラムと呼ばれ、ベトナム初の国家であるヴァン・ラン王国の都に属するロー川沿いの肥沃な地の一つでした。時代とともに村の名前はソム村、アン・ラム村、アン・ラオ村と変わり、1945年の8月革命後にフン・ロ村と改名されました。この村は古代ベトナム農村の特色を強く残しており、特に際立っているのが村の集会所です。
村の長老たちによりますと、チャン・カー・ラムはかつてフン王が王女や廷臣たちと共に遊覧の際に立ち寄り休息した場所でした。王はこの地が肥沃で植物が豊かに育ち、大地から神聖な気が漂うことから、ここを霊場と考えました。後に村人たちはフン王を祀る廟を建て、代々王祖への感謝の念を絶やさないようにしました。17世紀には、フン・ロ村の集会所兼祠堂がギア・リン山に向けて建立されました。

フン・ロ村の集会所の管理人であるグエン・ヴァン・トン氏は次のように語りました。

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「フン・ロ村の複合施設はフン王のほか、3人の神を祀っています。ここには廟、集会所、文書館、長老の家、前祭の家、そして天候の安定、豊作、村人の豊かな生活を祈る農業神を祀る祭壇があります。フン・ロ村の集会所はクアン・チュン、ザー・ロン、ティエウ・チー、トゥ・ドゥックなどの王朝から11の勅封を受けました。これらは現在も完全に保存され、次世代へと伝えられています」

歴史の変遷を経ながらも、この場所はほぼ完全に古代の建築様式を保存し、1990年に国家歴史遺跡として認定されました。訪問者は、集会所の門、装飾模様、瓦屋根などに見られる苔むした時の痕跡から、古風な雰囲気と時の流れを感じることができます。特に注目すべきは、ここで礼拝儀式に使用される祭具一式が大切に保存されていることであり、なかでも故郷の風景とフン王の功績を称える43の対聯が際立っています。

フートー省ベトチ市フン・ロ村の文化担当幹部であるラー・ティ・ホン・トゥイさんは次のように述べています。

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「フン・ロ村の集会所は貴重な古美術品や宝物を数多く保管する小さな博物館のようなものです。特に目を引くのは5台の金箔塗りの神輿の豪華さです。これらの神輿は香や灯明などの供物を運ぶために使用され、旧暦3月10日のフン王の命日や、フン・ロ村の祭りの際に地元の特産品としてフン廟へ献上されます。フン・ロ村は昔から神輿を担ぐ伝統があることで有名で、何年も連続して一等賞を獲得しています」

フン・ロ村の集会所は長い間、地元住民の精神生活と密接に結びついてきました。村の祭りは長い伝統を持ち、毎年2回、旧暦3月10日のフン王の命日)と旧暦9月12日の聖化祭に開催されます。しかし、最も盛大なイベントは依然としてフン王の命日に行われる儀式です。この儀式と村の集会所での古代祭具の保存は、歴史的文化的価値、特にフン王崇拝の信仰に関連する遺産の保存に対する地元の人々の敬意を表しています。この時期にフン・ロを訪れる人々はこの古い村の神聖さをより強く感じることができます。賑やかな太鼓の音の中、人々は熱心に祭りに参加し、心を一つにしてギア・リン山の頂を仰ぎ見て、「建国の祖」フン王の功績に感謝の念を捧げます。

フン・ロ村の集会所はフン王崇拝の信仰と結びついた空間であるとともに、文化祭や民謡「ソアン」の披露会の開催場所でもあります。「ソアン」はユネスコによって人類の無形文化遺産として認定された、この地域に特徴的な民間芸術です。今日も古代の「ソアン」のスタイルが大切に維持・伝承されています。

フン・ロ古い村:フン王崇拝の信仰と伝統文化が息づく場所 - ảnh 2

古い集会所の空間で、賑やかな太鼓や拍子木の音から歌声、優雅な手の動き、足の運びまで、「ソアン」の演者たちはベトナム農村特有の文化空間を創り出しています。フート省文化スポーツ観光局観光管理室のフン・ティ・ホア・レー室長は次のように説明します。

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「フン・ロ古村を訪れる観光客は、祭祀の歌、対句の歌、祭りの歌という3つの段階からなる完全なソアン芸術プログラムを鑑賞することができます。これによって観光客はフン王時代に起源を持つ文化的特徴を理解できます。この歌のスタイルは非常に素朴で、伴奏の楽器はなく太鼓と拍子木だけで、手で踊り足で運び、独特の滑らかな歌の調べを生み出します」

フン・ロ古い村:フン王崇拝の信仰と伝統文化が息づく場所 - ảnh 3

300年以上の歴史を持つ古い集会所に加え、フン・ロ村には百年以上の歴史を持つ約50軒の古民家があります。木造、竹、瓦葺きの家々には龍、亀、鳳凰、松、菊、竹、梅などの象徴が彫刻され、水稲農業文化の建築様式を色濃く反映した独特の建築が見られます。

フン・ロ村人民委員会のラー・ティエン・ボン副委員長は次のように語りました。

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「人民委員会は定期的に伝統的特徴の保存について広報し、住民に呼びかけています。経済発展のための伝統工芸村の維持・発展と並行して、現在、私たちの村では古い家屋の維持・保存も非常に熱心に行っています」

フン・ロ村はベトナムの農村の平和で穏やかな雰囲気だけでなく、フン王時代の文化的特徴も色濃く残しています。これらはすべて地元の人々によって長年にわたり大切に維持・保存されてきた貴重な遺産なのです。

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