モン族の石の上の栽培方法

(VOVWORLD) - ハザン省は、モン族の「石での栽培技術」をベトナムの無形文化遺産として認定するための申請を行っています。

ベトナム最北端のハザン省は、ユネスコによってカルスト高原ジオパークとして認定されているドンヴァン高原で世界的にも知られています。ドンヴァン高原は壮大な自然風景はもちろん、少数民族モン族の創意工夫によって石の上につくられた畑の美しさで国内外の観光客を魅了しています。

モン族の石の上の栽培方法 - ảnh 1石での栽培 

ドンヴァン高原は、2億年~4億年前の石灰岩からできたカルスト台地で、剣のように尖った岩場や切り立つ深い谷、天国の門と称賛される里山など、ダイナミックでバラエティーに富んだ絶景が続きます。こうしたドンヴァン高原の地面はほとんど石で、土がある所は少なくて狭いです。この高原について触れるならば、「上には空、下は石だらけ」という表現がよく使われています。そして、海抜1000メートルから1600メートルのドンヴァン高原は気候が厳しく、栽培に全然ふさわしくないとされます。

しかし、ドンヴァン高原を訪れる観光客は誰もが、石の上に点在している小さな畑の緑に驚くことでしょう。「石の砂漠」と言われるほどのこの高原に緑を根付かせたのは、モン族の人たちです。少数民族の文化の研究者チャン・フー・ソンさんは次のように話しました。

(テープ)

「モン族は、ベトナムに移り住んだ最後の民族の一つなので、よい土壌で栽培しやすい土地は、すでに他の民族が管理・使用しています。

そのため、モン族は、気候が厳しく、土壌がよくない山などに住まざるを得ませんでした。こうした厳しい状況の中で、モン族の人々は、「石の上での栽培方法」を作り出しました。」

モン族の石の上の栽培方法 - ảnh 2

モン族の「石での栽培方法」とは、面積10平方センチから50平方センチの穴の周りに石を積んでその穴に低地からカゴで運んできた土を入れ、その後、葉や藁などからできた有機肥料を入れてその土壌を改良します。トウモロコシや豆など、厳しい気候でも耐えられる農作物を栽培するということです。

モン族の一人スン・キン・ズさんは次のように話しました。

(テープ)

「土を石の穴に入れてから、肥料として葉っぱなどをまきます。そして、また、その上に、土をのせます。高い山ですから、それぞれの穴へ登らなければなりませんが、毎日のぼっているから、簡単ですよ。」

ハザン省は、モン族の「石での栽培方法」をベトナムの無形文化遺産として認定するための申請を行っています。この技術は、モン族の豊かな文化であるだけでなく、厳しい自然状況を克服してよりよい生活を送るための人間の大きな知恵であると言えるでしょう。

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