現在、ベトナム南部バリアブンタウ(BaRiaVungTau)省に住んでいる3千人あまりが枯葉剤被害者です。そのうちの620人は16歳以下の子供たちです。それらの大多数が先天性心臓病、運動障害、知的障害などにかかっています。これらの子供たちの生活に素敵な生活を与えようと、2008年から、同省の枯葉剤被害者協会は心臓手術とリハビリ手術プログラムを行いました。この4年間、このプログラムのお陰で、多くの不幸な子供があたらな生活を送られるようになりました。
ブンタウ(VungTau)市に住むチャン・タン・ヒェンさんの家族は貧困な状態にあります。彼女自身と娘二人とも枯葉剤の後遺症に悩まされています。さらに、末っ子は生まれながらの重度の心臓病を抱えています。ヒェンさんの家庭は、コム・ビン・ザン(com binh dan)という大衆食堂の収入で生計を立てていますので、子供の心臓病の費用6千万ベトナムドン(日本円で約30万円ほど)は大きな負担となっています。こうした状況で、2008年末に、バリアブンタウ省枯葉剤被害者協会はヒェンさんの子供への心臓手術費用を減額補助することにしました。そのお陰で、心臓手術が受けられたヒェンさんの娘は日増しに回復しつつあります。ヒェンさんは次のように語りました。(テープ)
「以前、娘は体も指と足の爪、口はいつも黒かったです。軽い風邪にかかっても、入院してしまいました。心臓の手術後、子供は元気になり、3ヶ月ごとにお医者さんに診断してもらいます。そのお陰で、我が家の生活は安定してきました。」
ヒェンさんはこのように語りました。
手の手術後の枯葉剤被害者の子供が文字を書けるようになった
一方、スェン・モック(XuyenMoc)村に住むグェン・ティ・トウェットさんの末っ子は、生まれつき、子供の手足は短く、手と足の指は繫がっています。無料の手術を3回も経て、子供の手足の障害はかなり回復されてきました。トウェットさんは次のように語りました。
(テープ)
「子供が4歳の時、個人病院で手術を受けましたが、4百万ドンかかりました。その後の手術は無料でした。現在、子供は手足がでてきました。私たちはとても喜んでいます。」
トウェットさんはこのように語りました。
先天性の心臓病や運動障害にかかった枯葉剤被害児にとって手術は最も効果的な方法であると評価されています。しかし、手術費用はかなり高いです。1回の心臓手術につき3千万ドンないし1億5千万ドン、日本円で15万円ないし75万円ほどです。また、1回のリハビリ手術に付き15万円程度となっています。しかし、殆どの子供は貧困な状態にあるため、手術を受けなくなっています。
これまでに、枯葉剤被害児を対象にした無料手術プログラムはバリアブンタウ病院、第2児童病院、ホーチミン市医薬大学病院の支援を受け、85人の子供に心臓手術とリハビリ手術を行い、全ての手術が成功し、回復しています。
バリアブンタウ省枯葉剤被害者協会のグェン・バン・ニャン会長は次のように語りました。(テープ)
「このプログラムが予想外の結果を収めたのは2つの要素によるものです。第1要素は、この協会の決意です。省内に枯葉剤被害児が大勢住んでいるので、協会はこれらの子供達の生命を救うために、早期に手術を行うことにしました。次は、社会共同体や個人、団体はこのプログラムの実施へ向けた支援活動や募金活動に積極的に参加してきたということです。」
ニャン会長はこのように語りました。
今直、バリアブンタウ省枯葉剤被害者協会は省内の各病院や医療施設と連携して、心臓手術とリハビリ手術を必要とする枯葉剤被害児のリストアップをしています。全ての枯葉剤被害児が手術を受けられるようになり、よりよい生活を送られるように、更なる数多くの支援者がこの慈善活動に参加してもらうよう期待しましょう。