競争力の向上、EVFTAの実施に土台づくり

(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように、12日、欧州議会の本会議ではEVFTA=ベトナムとEU=欧州連合の自由貿易協定とEVIPA=投資保護協定が承認されました。

これらの協定は互恵・平等を基礎とする協力枠組みを作り出し、持続可能な開発と世界経済連携に貢献するとしています。また、ベトナムの企業界にとって、グローバルバリューチェーンでの競争力を強化するチャンスとなります。EVFTA により、EUは品目ベースで85.6%の関税を協定発効時に即時撤廃し、最終的には7年かけて99.2%を撤廃する予定です。ベトナムは同48.5%の関税を即時撤廃し、最終的には10年で98.3%を撤廃することになります。大国間の貿易紛争が激化している背景の中で、EVFTAの発効のお陰で、ベトナム企業は市場やパートナーの多様化やEU市場での地位の確立が図られるとしています。

ベトナムのブイ・タイン・ソン外務次官によりますと、EVFTAを早期に展開させるため、関係各機関は国会の批准に必要な手続きを完成させなければなりません。各省庁、部門、地方は同協定の展開に関する計画の作成を加速し、同協定に盛り込まれた公約を普及させるとともに、チャンスを活用するため、新たな規定を把握したうえで、発生する恐れのある試練に対応する姿勢を整えなければなりません。来る5月、開催される国会でこの協定の批准が提案される予定です。EVFTAは6月以内にEU、ベトナム双方がそれぞれ批准手続きを終え、互いに批准完了を通知した場合、7月の初日に発効することになります。現在、ベトナムの各省庁、部門はEVFTAの発効を控え、様々な準備を行っています。商工省・多国間貿易政策局のルオン・ホアン・タイ局長は次のように明らかにしました。

(テープ)

「政策、体制を統一化させ、新世代の自由貿易協定の公約に合致させなければなりません。つまり、国際通例に見合うような体制や行政手続きの改革を進め、競争力を向上させる一方、これらの協定のメリットを活用する必要があります。」

政府のメカニズム、政策の整備の傍ら、企業界はEVFTAに応え、様々な行動計画を立案しています。同協定発効により、99%あまりの関税が撤廃されることはEU市場向けのベトナムの有力製品の輸出に弾みをつける一方、国内市場での競争を激化させると予測されています。VCCI=ベトナム商工会議所のブ・ティエン・ロック会頭は次のように語りました。

(テープ)

「企業は競争に立ち向かわざるを得ません。ですから、貿易保護措置に依存することなく、競争力の向上に尽す必要があります。早くから保護措置が撤廃され、オープンされた分野は力強く発展していますが、保護措置に依存する分野は発展できません。これは国際参入から得た教訓です。」

欧州連合は厳しい市場であり、高い基準を設定したことから、優遇税制を適用されるため、企業は質、生産過程、原材料に関する厳しい基準を満たさなければなりません。ベトナムのシナモン・八角生産輸出企業のグエン・ティ・フエン社長は長年にわたり、EU市場にシナモンや八角を輸出していますが、EVFTAの発効により、これらの製品に対する税率が14%から0%に引き下げられることから、同社は輸出の拡大を準備していると明らかにしました。

(テープ)

「EUは我々の主要な市場です。2013年、国際市場、中でもEU諸国の方向を把握したうえで、バリューチェーンをつくり、原材料産地から工場での加工までの工程を監視しています。EUのような厳しい市場は食品安全衛生や公平貿易など、様々な証明書を求めます。」

EVFTAを効果的に活用するため、ベトナム企業は持続可能な競争力をつける必要があります。また、経営モデルの刷新や管理の強化、人材開発、欧州基準に沿う製品、サービスの質的向上に尽力すると同時に携わっている分野に関する公約、チャンス、試練を見極め、市場開拓、提携先の模索を推進しなければなりません。

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