ダクラク省の国家無形文化遺産であるムノン族の陶器工芸
(VOVWORLD) -ラック県ヤンタオ村に住む人口の9割 がムノンラム族です。古くからこの場所は伝統的な陶器作りで有名でした。
中部高原地帯テイグエン地方ダクラク省には、もう一つの国家無形文化遺産が認定されました。それは、ラック県ヤンタオ村に住む少数民族ムノンラム(Mnông Rlăm)族の伝統的手作り陶器工芸品です。陶器が国の無形文化遺産として認められたことは、ムノンラム族の陶器工芸の保存と発展に役立つとされています。
ラック県ヤンタオ村に住む人口の9割 がムノンラム族です。古くからこの場所は伝統的な陶器作りで有名でした。ムノンラム族の人々は、丘の粘土を利用して必要なアイテムを作り上げました。当時、彼らが造った陶器製品は日常生活のニーズに応えるほか、周辺地域の住民の製品と交換するためでした。陶磁器製品が高い経済価値をもたらすため、ほとんどの女性たちは陶器の作り方を知っています。陶器作りのお陰で、村民の生活は豊かになっています。
陶器製品は多様性や色彩などにおいて豊かさはありませんが、過去から現在までのヤンタオ村の形成と発展の道のりを示しています。陶芸家のハフィーエット・ウオンさんは次のように語っています。
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「村民たちの日常生活では、食器、鍋などの陶器製品はよく使われています。陶器鍋で炊いたご飯はとても美味しいからです」
社会は日々発展していますが、ムノンラム族の陶器工芸は依然として昔のままの工程を保っています。粘土は、細かく砕いてから、成形しはじめます。成形の工程には回転台をまったく使用しません。陶工は、粘土が置いてある大きな丸太の周りを移動しながら、製品の形を作ります。これは陶工にとって最も難しい工程です。というのは、この工程は、助けてくれる機械もなく、陶工の手先の器用さだけが頼りだからです。陶器製品は成形が終わったら、天日干しで乾燥させます。そのとき、陶工は陶器製品に模様を描き始めます。模様も非常にシンプルです。鍋、瓶の口の周りに丸や、植物、花、または単純な幾何学的な線でも構いません。乾燥させてからの2日間後に、陶工は、光沢のある金色の輝きを生み出すため、光沢のある小石を使って陶器製品の表面を連続的に擦ります。この工程の後、製品は完全に乾燥されてから、焼成されます。
ムノンラム族の陶器の焼成技術は非常に特別です。窯を使わずに野外で陶器製品を焼成するという野焼きです。焼成プロセスが完了するまでに約 30 分かかります。その後、釉薬を施すとともに、耐久性を高めるために、陶器製品を籾殻の中で数分間培養します。民俗文化研究者のルオン・タイン・ソン博士は次のように述べています。
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「粘土に他の成分は混ぜませんが、陶器製品は丈夫で、美しいです。現在でも、周辺の多くの住民に愛用されています」
近年、観光業が盛んに発展したことにより、ムノンラム族の陶芸品は観光客の興味を集めています。そのため、現在、陶器製品は、顧客ニーズに応えるように、調理器具だけでなく、多種多様になり、大小さまざまなサイズのものがあります。陶器製品の多様なデザインと高品質により、陶工たちは、高い収入を得るようになっています。
ラック県ヤンタオ村人民委員会のイ・ト・ムロー副委員長は、ムノンラム族の伝統的陶器工芸が国家無形文化遺産として認められたことで、陶器工芸の保存と発展、ユニークな製品の構築、そしてより広範な消費市場の形成に向けた多くのチャンスをもたらしていると明らかにしました。
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「地元行政府の方針、および国家目標プログラムは、陶器工芸の保存と発展を目指しています。観光部門などの関連機関が、ムノンラム族の陶器生産地を紹介し、宣伝する架け橋となることを願っています」
現在、バンヨークズオン集落とバンドンバク集落に住む13人の陶工が陶芸技術を習得しています。そのほか、29人の陶工は日常生活向けの簡単な製品しか作れません。そのため、この間、ラック県とダクラク省のベテラン陶工は、若い世代に、陶器生産を教えるクラスを常時開いています。