(VOVWORLD) -ベトナムには伝統的な刺繍村がいくつかありますが、ホン川デルタ地方にあるニンビン省のバンラム村は、伝統工芸村として700年以上の歴史があります。
陸のハロン湾とも言われている世界遺産のチャンアン近くにあって、刺繍やレース製品の手工芸で広く知られています。20世紀初めのフランス植民地時代に、この村の住民がフランス人からレース編みを学んだ後、他の村人にも伝えたということです。職人の手先の器用さから、バンラム村はベトナム国内で最も美しい刺繍とレース製品を生産する村の一つとなっています。
バンラム村のベテラン職人の話です。
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「村の刺繍業は何世代にも渡って伝わってきました。時代によって浮き沈みがあっても、刺繍とレースの仕事は今まで守られてきました。バンラム村の製品は海外にも輸出されるようになりました。現在でも、刺繍の仕事は重要に思われていて、盛んなんです。」
バンラム村の刺繍職人は、色とりどりの糸で、見事な刺繍製品を作り出します。生き生きとした感じを出すため、一針一針を丁寧に手仕事で仕上げています。
女性職人の話です。
(テープ)
「うちは3世代が刺繍に従事しています。受け継がれてきた古い技法は、刺繍の美しさと精巧さの秘訣として今でも守られています。」
バンラム村の刺繍・レース製品は、布団カバーや枕カバー、テーブルクロス、クッションカバー、ハンカチ、絵など種類が豊富です。質も高いと消費者から高く評価されています。ベトナム以外の国、日本や韓国、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカなどにも出荷されるようになりました。
ハノイ旧市街にあるハンガイ通りで刺繍・レースの店を営んでいるバンラム村出身の女性の話です。
(テープ)
「フランス人から刺繍とレースのやり方を教えてもらったバンラム村ですが、今では、技術的にもデザイン的にも種類も、よりよくなっていると思います。サンプル品を持ってオーダーに訪れる多くの西洋人は、実際に出来上がった製品を見て驚きます。サンプル品よりかなりいいからです。評判もよくて、故郷を誇りに思います。」
現在、バンラム村では、9つの企業と12、3の共同生産組合、そして700世帯が刺繍やレース関連の仕事に携わっています。伝統的職業村として発展しつつ、観光分野とも協力して製品のPRを進めています。チャンアンと同じく陸のハロン湾と言われている、タムコック・ビックドン地区までの道の両側には、刺繍製品店が軒を連ねています。