フエの牛肉麺に関する民俗知識、国家無形文化遺産に認定
(VOVWORLD) - ブン・ボー・フエは、長年にわたり国内外で広く知られてきた名物料理であり、世代を超えて受け継がれてきた民間の知恵の結晶です。
このほど、中部フエ市の代表的な牛肉麺「ブン・ボー・フエ」に関する民俗知識がベトナム文化スポーツ観光省によって国家無形文化遺産に認定されました。これは、歴史、文化、芸術、経済の面での価値が正式に認められたものです。
フエ市の名物料理「ブン・ボー・フエ」に関する民俗知識、国家無形文化遺産に登録された(写真:giaoducthoidai.vn) |
ブン・ボー・フエは、長年にわたり国内外で広く知られてきた名物料理であり、世代を超えて受け継がれてきた民間の知恵の結晶です。宗教儀式や地域の生活と密接に関わり、バンクー村やオサ村といったベトナム麺料理ブン作りの村々とも結びついています。料理は、香り豊かなレモングラスやエビ発酵ペースト「マム・ルオック」を使ったスープ、唐辛子の鮮やかな赤色、香り高いネギなどが調和し、職人一人ひとりの工夫によって唯一無二の味わいが生み出されます。
フエでは、有名レストランから屋台までさまざまな場所でブン・ボーが提供されており、一日中親しまれています。フエの「魂」とも言えるこの料理について、料理研究家のファン・トン・ジャー・ヒエンさんは次のように語りました。
(テープ)
「美味しいブン・ボー・フエを作るには、料理人の真心と、すべての工程への丁寧な配慮が必要です」
こうした民間伝承は、地元の住民によって守られ、発展してきました。材料の選び方から、スープの取り方、盛り付けまで、さまざまな技術や工夫が蓄積され、料理の文化的価値を高めています。
フエ市文化スポーツ観光局のファン・タン・ハイ局長(写真:VOV) |
フエ市文化スポーツ観光局のファン・タン・ハイ局長は、今回の認定を機に、この価値ある遺産をさらに守り、活用していきたいと述べました。現在、フエ市ではブン・ボー・フエの調理法や味わい方、文化的背景を体系的に整理する「識別システム」の構築に取り組んでおり、将来的にはユネスコ創造都市ネットワークの食文化分野への登録を目指しています。ハイ局長は次のように語りました。
(テープ)
「重要なのは、ブン・ボー・フエの調理技術や楽しみ方に加え、この料理にまつわる文化的な物語を明確にすることです」
なお、2014年には、著名な料理人アンソニー・ボーディン氏がアメリカの大手メディアCNNで「これまで味わった中で最高のスープ」と絶賛しました。2016年にはアジア記録機構がアジアの名物料理トップ100に選出、2023年には国際グルメサイト「テイスト・アトラス」で、フエ市が「世界で最も美味しい料理がある都市」リストで第28位にランクインし、ブン・ボー・フエが「訪れたらぜひ食べたい一品」として紹介されました。