ベトナムの人権状況に関する根拠のない主張

(VOVWORLD) -ベトナムでは建国以来、人権は国家の権利と不可分のものとして認識されてきました。党の綱領や国家の法律には、人間を国の発展の目標であり原動力とする考えが一貫して反映されています。

ニュージーランドを拠点とするHRMI人権評価イニシアチブが2024年の世界人権状況に関する年次報告書を発表しました。この報告書では、生活の質、国家からの安全、エンパワーメントの3つの基準に基づいて各国の人権状況が評価されています。しかし、ベトナムについては進展に乏しく、むしろ状況が悪化しているとの評価がなされました。この評価は、ベトナムの実際の人権保障の状況を正確に反映していないと考えられます。

ベトナムでは建国以来、人権は国家の権利と不可分のものとして認識されてきました。党の綱領や国家の法律には、人間を国の発展の目標であり原動力とする考えが一貫して反映されています。

2013年に制定された新憲法は、人権に関する立法活動の集大成と言えるもので、全120条のうち36条が人権と市民の権利・義務に関する規定に充てられています。これは、人権と市民権を実質的に保障するための重要な法的枠組みを提供しています。

ホーチミン国家政治学院人権研究所のトゥオン・ズイ・キエン所長は次のように述べています。

(テープ)

「2013年憲法では人権に関する独立した章が設けられただけでなく、憲法全体を通じて人権に関する規定が盛り込まれています。特に第3条では、人権の承認、尊重、保障、保護が国家の使命として明確に定められています。」

ベトナムでは、言論の自由、報道の自由、信仰・宗教の自由、集会・結社の自由、請願・告発の権利など、市民の基本的権利が保障されています。ただし、これらの権利の行使が他者や国家の権利・利益を侵害してはならないという一般原則があります。

ハノイ国家大学非伝統的安全保障研究所副所長のグエン・カイン・ティン准教授・博士は次のように意見を述べています。

(テープ)

「私たちは、常に建設的な姿勢で意見を述べることを奨励し、そのための環境づくりに努めています。問題点や改善すべき点を指摘することは歓迎されますが、それは悪意のある批判や挑発、事実の歪曲とは全く異なるものです。私たちが求めているのは、建設的な対話と健全な批判精神であり、それによって社会全体が前進できると考えています」

HRMIが指摘する死刑の問題については、ベトナムが死刑を存置している唯一の国ではないことを強調する必要があります。国際法は死刑の適用を全面的に禁止しているわけではありません。ただし、ベトナムでは刑法改正により、死刑の適用対象となる犯罪の数を大幅に減らしています。

情報通信省対外情報局副局長のディン・ティエン・ズン氏は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムを含む多くの国が、司法制度の改善の一環として死刑廃止に向けた取り組みを検討しています。ベトナムの場合、現時点で完全な廃止には至っていませんが、死刑制度の見直しに積極的に取り組んでいます。具体的な成果として、死刑の適用対象となる犯罪の数を大幅に削減しました。1985年の刑法では44罪種が死刑の対象でしたが、2015年の改正では18罪種にまで減少しています」

ベトナムの人権保障の取り組みは国際社会からも評価されています。在ベトナムオーストラリア大使館のアンドリュー・ゴレジノウスキー大使は、教育の向上や少数民族の生活改善、女性の社会参加の進展などを評価しています。

ベトナムの人権状況に関する根拠のない主張 - ảnh 1ヴィーラマラ・アンジャイア氏(右)

また、インドネシアに本部を置く東南アジア問題研究センターの上級研究員ヴィーラマラ・アンジャイア氏は、ベトナムの持続可能な開発目標(SDGs)達成における成功や、貧困削減の成果を高く評価しています。

(テープ)

「ベトナムは人権保護の分野で注目すべき成果を上げており、特に国民の利益を重視した社会経済発展を推進してきました。その成果は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成状況にも表れています。ベトナムは全17項目のSDGsにおいて顕著な進展を見せ、総合スコアは72.76点に達しています。過去数年間、ベトナムは様々な社会経済開発プログラムを成功裏に実施し、それによって人権保障の改善にも貢献してきました。特筆すべき成果としては、貧困撲滅への取り組みが挙げられます。貧困率の大幅な低下を実現し、国民全体の生活の質を向上させることに成功しています」

これらの実際の成果や国際社会の評価を考慮すると、HRMIの報告書がベトナムの人権状況を客観的に評価しているとは言い難いと言えるでしょう。

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