(VOVWORLD) - ビンフューチャー科学技術ウィーク2025は、科学の成果を紹介するだけでなく、ベトナムを「人類の知識が集う重要な拠点」として国際社会に刻むイベントとなっています。
ベトナムは、地域・国際レベルの重要な科学技術イベントの開催地として存在感を高めています。12月2日から6日までハノイで行われる「ビンフューチャー科学技術ウィーク2025」は、ベトナムが単に知識を受け入れるだけでなく、世界の知識が集う場となりつつあることを改めて示しています。
ビンフューチャー賞授賞式(写真:主催者) |
「ともに伸び、ともに繁栄へ」をテーマにした今年のイベントは、第5回ビンフューチャー賞授賞式を中心に、知識の交流を促し、イノベーションへの意欲を喚起し、科学技術推進の拠点としてのベトナムの地位向上に寄与しています。
出会いと交流、新たな着想が生まれる場
ノーベル賞、フィールズ賞、チューリング賞受賞者をはじめ、世界的な科学者や技術機関のリーダーら数百名がハノイに集結しました。ビンフューチャーは、学術と実用化、地球規模課題と新たな取り組み、世界とベトナムを結ぶ「知識の架け橋」となっています。
イベント期間中の交流や対話、インスピレーションを与えるプログラムは、ベトナムの若者に国際科学へ触れる貴重な機会をもたらしています。
ビンフューチャー大学所属のイノベーション・材料技術センター所長、ファン・マイン・フオン教授は次のように語りました。
(テープ)
「これらの取り組みを通じて、若い世代は科学技術の重要性を理解し、世界の科学者と出会う機会を得ました。特に今、ベトナムが決議57号を進める中で、このイベントの意義は非常に大きいと感じています」
ビンフューチャーは、世界の科学の精華を受け入れる場であると同時に、新たな発想が芽生え広がる「知識の起点」となっています。国内の研究・イノベーション環境が評価され、トップ研究者がベトナムを訪れるようになっていることは象徴的です。
ビンフューチャー賞委員のフィリッポ・ジョルジ博士は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムを訪れるのは今回で2回目です。多くの若いベトナム人に強い印象を受けました。彼らは学ぶ意欲が高く、科学技術への先進的な視点を持っています。研究の重心をベトナムのような新興国へ移す必要があると感じています」
科学技術を国家発展の中心に据える姿勢
ビンフューチャーの継続的な成功は、ベトナムが科学技術・イノベーション・デジタル転換を成長エンジンとする戦略を堅持していることの表れです。ベトナムは国際社会に向け、「未来づくりに共に参加し、貢献する用意がある」とメッセージを発しています。
2024年授賞式でファム・ミン・チン首相は次のように述べました。
(テープ)
「ビンフューチャー賞は国際協力を鼓舞し、科学技術イノベーションの推進に力を与えてきました。これは、科学技術・イノベーション・デジタル転換を国の持続的発展の柱と位置づけるベトナムの戦略とも一致しています」
ビンフューチャーは、科学成果をたたえるだけでなく、「知識に基づく未来づくり」の精神を喚起するイベントです。世界的科学者がハノイで知識を交わすことで、新たな連携が生まれ、ベトナム科学の発展余地が大きく広がっています。
ビンフューチャー財団のレ・タイ・ハー最高経営責任者は次のように語りました。
(テープ)
「ビンフューチャーは『科学に国境はない』という信念をベトナムから発信しています。世界中の若い科学者がこの歩みを見て、小さな場所からでも社会に貢献できると信じられるようになれば、それこそビンフューチャー最大の成果であり、ベトナムの誇りです」
ビンフューチャーは、ベトナムが科学技術を発展モデルの核心に据えるという国家的志向を象徴する存在です。制度整備、人材育成、研究開発の推進、そして世界の知識が集い広がる環境づくりを通じ、そのビジョンが形となりつつあります。
ビンフューチャー科学技術ウィーク2025は、科学の成果を紹介するだけでなく、ベトナムを「人類の知識が集う重要な拠点」として国際社会に刻むイベントとなっています。