中国とインドとの関係

中国とインドとの関係 - ảnh 1
李克強首相とシン首相

先ごろ、中国の李克強首相は3日間の隣国インド訪問を終了しました。中国の新首相が初外遊の最初の訪問国にインドを選んだことは、インドへの貿易投資の強化を目指すと同時に、政治的信頼を作り出すことが狙いです。しかし、アナリストは今回の訪問が予定通りの結果を収めなかったと見ています。

インド訪問期間中、李克強首相はシン首相と会談した際、「今回のインド訪問は世界にインドと中国との政治的信頼が日増しに高まっており、適切な協力関係が拡大されつつあり、また両国には相違点よりも多くの共通利益があるということを知ってもらうため行われた」と明らかにしました。これに対し、シン首相は「インドと中国は、ともに近隣関係であるだけではなく、発展途上大国でもあり、複数の国際問題に対する戦略的パートナーとなった。そこで、両国間に残されている問題点が二国関係の発展、特に貿易投資関係を妨げないように働きかけなければならない」と強調しました。両首相は、農業、貿易、観光などの分野における8件の協力合意書に調印したことで、2015年までに両国の貿易取引額を1000億ドルにすることで一致しました。また、アジアと世界の経済成長を促す牽引役であることを示しました。

しかし、中国はインドにとって最大の貿易相手国になっているものの、インドとの貿易不均衡が日増しに増加していることが、両国間の対立が増大する要素となっています。両国の貿易取引は1990年から始まりましたが、中国側にのみ利益をもたらしています。中国は、インドに通信設備や発電機器を主に輸出していますが、中国市場へインドは、この分野での進出を図らなかったということです。難しかった点は、中国は常に、貿易不均衡をもたらした理由は輸出入の制限によるものだと否定しながら、「両国経済構造にある相違点があった」と言うことが原因だと主張していた点です。そこで、シン首相は、二国間貿易取引額の増額という中国の期待を強調しましたが、「2015年までに1000億ドルを達成するため、重要なのは貿易不均衡是正に向けた措置を見つけることだ。このことは主に中国側に依存している」と率直な意見を出しました。

膨大な貿易赤字の傍ら、インドと中国は国境問題でも争っています。この問題は長年にわたって徹底的な解決への措置を取らなかったため、両国間の信頼醸成を妨げているといわれています。今月3日まで3週間にわたって両国の軍隊がカシミール地方を巡って対峙したことは記憶に新しいです。インドと中国は国境の画定作業を終えておらず、半世紀前には国境紛争も経験となっています。現在も両国は軍事的なプレゼンスを維持しており、関係悪化の火種はここにも残されています。

インド側は懸念を強めましたが、最大の貿易相手である中国との関係悪化は望んでいません。中国側も、会談で良好な関係をアピールしたい考えでした。中国としては「核心的利益」の一つと位置づけるチベットの問題でインドの支持を取りつけたかったものの、インドは両国が領有権を争うカシミール地方を巡って中国側の歩み寄りが見込めないなかで難色を示したという見方が有力です。

さらに、ベトナム東部海域、つまり南シナ海紛争において、インドは中国への支持を表明しなかったことは両国関係が期待通り進展されなかった、ということもでもあります。実際、会談で、シン首相は、南シナ海紛争について中国の立場への支持を拒否しました。

中国の李克強首相によるインド訪問は、和合しにくい隣国関係の証であると見なされました。互いに重要なパートナー国ですが、戦略的な信頼性に欠けたため、アジア地域の2つの隣国が緊密になりにくい模様です。ですから、アナリストは、今後も両国関係に突破口を期待できないだろう、と見ています。

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