(VOVWORLD) - 今日のこの時間はVOV=ベトナムの声放送局が選んだ2024年の国内10大ニュースをお伝えします。
1.国を飛躍の時代へと導くため、体勢を整え、リソースを準備
40年間にわたり、党の指導の下で、実施されているドイモイ=刷新事業の成果は、ベトナムが次の段階に、飛躍的な発展を遂げるための基盤を作り出します。トー・ラム党書記長は、国は独立と自由、社会主義の構築の時代、および刷新の時代に続く新しい時代である「民族の飛躍の時代」に入るためのすべての利点と力が集まる「統合」の時機が到来したと強調しました。
第13期党中央委員会第10回総会では、ベトナム民族の飛躍の時代が第14回党大会から始まることが確認されました。この目標を達成するためには、今から全党、全国民は体制改革、機構の合理化、人材の質の向上といった3つの戦略的突破口に集中する必要があります。厳格な管理と発展を両立させ、民族自尊心を芽生えさせ、自主、自信、自立、自強の精神を発揮し、民族の力と時代の力を緊密に結びつけ、国を力強く包括的かつ飛躍的に発展させることが求められます。
2.グエン・フー・チョン党書記長の逝去
2024年7月19日、グエン・フー・チョン党書記長が重病にかかった後に逝去し、全党、全国民、外国の友人たちに深い悲しみを残しました。チョン書記長の追悼式で、発表された弔辞では、「グエン・フー・チョン書記長の思想の中には常に人民があり、全力で人民に奉仕し、社会主義の人づくり、団結と統一を不断に強化することが強調されています。まず、党内の団結と統一、そして民族、さらに国際的な連帯が必要です」と述べられました。
チョン書記長の生涯と業績は、共産主義者としての揺るぎない闘争を表し、勤検尚武、そして公平無私な生き方を貫いた模範的な存在であり、ホー・チ・ミン主席の思想、道徳、スタイルを学び、実践する素晴らしい手本となっています。チョン書記長が残した強固な政治システムや、民族大団結の力に対する揺るぎない信頼は、我々の党、国家、国民にとって、永遠に貴重な遺産となるでしょう。
3・組織・機構のスリム化・ 国家ガバナンスにおける転換点
2017年10月25日に制定された第12期党中央委員会の決議18-NQ/TWに基づく政治システムの改革と組織の再編が実施されてから7年が経ち、いくつかの重要な成果が達成されました。しかし、組織・機構の構造は依然として複雑かつ多層的で、多くの結節点が存在し、活動の効率と効果は要求や任務に応えていない状態です。こうした事情を踏まえ、去る11月25日、第13期党中央委員会総会で、トー・ラム書記長は、各レベルの党委員会、組織、機関、部門、特にリーダーや責任者が模範となり、積極的かつ断固として「走りながら解決する」という精神で任務を遂行するよう求めました。また、「中央は省を待たず、省は県を待たず、県は末端組織を待たない」という精神を掲げ、2025年第1四半期に第18-NQ/TWの実施を総括し、政治システムの組織・機構の再編について中央委員会に報告することをも要請しました。
組織・機構の再編とスリム化は、公務員、職員の勇気と犠牲を伴う革命であり、公正で客観的かつ科学的に実施することが求められ、国を新しい時代へ導く準備が必要であるとしています。
4・ベトナム経済は着実に成長し、GDPはおよそ7%に達する
2024年、ベトナム経済は引き続き前向きな回復の勢いを維持していました。GDP=国内総生産の成長率は7%以上と見込まれ、インフレは4%未満に抑えられ、設定された目標を達成しました。また、輸出入総額は8000億ドルを記録し、輸出超過額はおよそ230億ドルに達し、過去最高の水準となっています。世界経済が多くの変動を見せている中で、この成長は2025年の発展の基盤となるだけでなく、ベトナム経済の急速な発展の動きを示しています。
5・党と国家の主要リーダーの選出、違反した幹部の処分に際し、「例外なし」の方針を継続
2024年、党と国家の主要リーダーの選出が高い賛成率で実施され、国家の指導とガバナンスの効果を高め、安定的な発展を確保することを目指しています。第13期党中央委員会総会では、トー・ラム政治局員、国家主席が党書記長に選出されました。また、第15期国会では、チャン・タイン・マン国会議長とルオン・クオン国家主席が選ばれ、国会、政府、司法機関のリーダー職の配置も進められました。一方、党建設、綱紀粛正、腐敗防止対策は、2024年の重点課題として継続されました。党と国家の多くの高級幹部が懲戒処分や刑事処分を受けたことは、「例外なし」の方針を示すとともに、清廉で強固な政治システムの構築に対する決意を表明しています。
6.記録的台風がベトナム北部を直撃、300人超が犠牲に
過去30年で最大規模となる台風3号(ヤギ)が、2024年9月7日、ベトナム北部を襲いました。ベトナム東部海域(南シナ海)で発生したこの台風は、17級を超える猛烈な勢力で上陸し、甚大な被害をもたらしました。
台風に伴う豪雨は広範囲で鉄砲水や地滑りを引き起こし、死者323人、行方不明者22人、負傷者1978人という深刻な人的被害が発生しました。経済損失も81兆7千億ドン(日本円で4805億円)規模に達しています。
政府は台風接近の段階から対策本部を立ち上げ、迅速な避難指示や救助活動を展開したほか、インフラの復旧や被災者支援のための緊急対策に取り組んできました。
一方、国民の間では「困ったときはお互いさま」の精神で支援の輪が広がり、全国から被災地への物資や義援金の提供が相次いでいました。
7.インフラ整備が大きく前進、交通・エネルギー分野で躍進
2024年、交通・エネルギー分野での大規模インフラ整備が着実に進展し、経済発展を後押ししています。高速道路網は既に2000キロメートル以上が開通しており、2025年までには3000キロメートルまで拡大される見通しです。電力インフラでは、クアンチャック・フォーノイ間の500kV送電線第3回線が完成し、電力供給の安定性が向上しました。
注目を集める南北高速鉄道計画については、第15期国会第8回会議で2035年までの整備目標を掲げる投資方針が承認されました。さらに、エネルギー安全保障の強化と2050年カーボンニュートラル達成を見据え、ニントゥアン原子力発電所の建設再開も決定されました。
新たな玄関口となるロンタイン国際空港については、第1期工事として北側エリアに2本の滑走路と旅客ターミナルを建設することが決まりました。年間で旅客2500万人、貨物120万トンを取り扱う計画で、国際ハブ空港としての機能強化が期待されています。
8.国会 制度改革で大きな転換点に
第15期国会は2024年、法制度の抜本的な見直しと国家の重要課題への取り組みにおいて、画期的な成果をあげました。定例会2回と臨時会2回を含む年間4回の会議を通じて、立法、監督、国家の重要政策など、多岐にわたる課題に積極的に取り組みました。
この1年間で、18の法律と21の決議が可決されました。特に注目されるのは、土地法、住宅法、不動産事業法の施行時期を当初予定より5ヶ月前倒しし、2024年8月1日からの実施を決定したことです。さらに、投資法、公共投資法、マスタープラン法などの重要法案も改正され、行政手続きの簡素化や地方分権の推進、経済活動の活性化を図っています。
国会は「管理困難なものはまず禁止する」という従来の発想を転換し、新たな分野での事業展開を支援する法的基盤の整備に着手しました。イノベーションの促進と経済資源の効果的な活用を通じて、新時代における持続可能な発展への道筋を示しました。
9.政府、住宅環境改善に向け全国規模のプログラムを始動
政府とベトナム祖国戦線中央委員会は2024年10月5日、「同胞のための温かい住まい」と題した住宅環境改善プログラムを立ち上げました。このプログラムは、老朽化した住宅や仮設住宅に暮らす人々の生活環境改善を目指すもので、2025年末までに全国で約15万3千戸の改善を目標としています。
ファム・ミン・チン首相は開始式で、「できる人ができることを。労力でも資金でも、多くても少なくても、それぞれの形で協力を」と国民に広く支援を呼びかけました。
またチン首相は、各省庁や地方に対し、革命功労者や低所得世帯への住宅支援を効果的に進めるよう指示しました。限られた資源を最大限に活用し、確実に目標を達成するため、具体的な実施計画の策定を求めています。このプログラムを通じ、政府は住宅環境の改善による生活の質の向上を目指しています。
10.不動産・金市場で大きな変動
2024年、ベトナムの不動産市場と金市場は大きな変動に見舞われました。特に不動産では、住宅価格が国民の所得水準をはるかに上回る水準にまで高騰し、資産価値と実際の購買力との間で深刻な格差が生じています。
一方、金市場においても、世界市場の動向を受けて価格が上昇基調を続けています。こうした状況を受け、投機的な取引を抑制し、長期的な投資を促すとともに、市場の健全な発展と国民経済の利益を両立させるため、より実効性のある規制の導入が求められています。