11月30日から一週間の主な国際ニュース


*     先週、フランスの首都パリで、COP21=国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議が行われました。今回の会議は、自滅への瀬戸際にある状況の中で行われるもので、国際世論の注目を集めました。会議の前、国連は、この20年、気候変動による死者は60万人以上に上っているとの報告を出しました。今回の会議では、長い間、地球温暖化対策に消極的だったアメリカや中国を含め全ての国が参加する国際的な温暖化対策の枠組みに合意し、温室効果ガスの大幅な排出削減への道筋をつけることが焦点となりました。

*   先週、ロシアとトルコとの緊張関係が悪化し、貿易戦争に発展する可能性があります。ロシア政府は1日、爆撃機撃墜の報復措置として、トルコに対する制裁のリストを公表し、これによりますと、トマトやリンゴといった農産品に加え、鶏肉や塩など計17品目の輸入を来年1月1日から禁止するということです。また、今回のリストには明記されていませんが、地元メディアは、トルコに天然ガスを供給するパイプラインの建設計画について、「交渉は停止される」との情報筋の話を伝えています。

*     カリフォルニア州サンバーナディノの福祉施設で2日午前、銃乱射事件が発生し、14人の死者や17人の負傷者が出ています。これを受け、アメリカのオバマ大統領はテレビ演説を行い、アメリカ本土でテロに対する警戒を一段と高める方針を示すとともに過激派組織IS=イスラム国の壊滅を目指す決意を改めて強調しました。

*     ロシアのプーチン大統領は3日、今後の政策実施方針を示す年次教書演説を行いました。その中で、「世界各地でテロを繰り返す過激派組織の掃討には国際社会の結束が必要だ」と述べ、「ロシアは対テロで指導力を発揮している」と主張しました。トルコがロシア軍機を撃墜した事件については「後悔させる」と述べ、非難を強めました。原油安などによる経済的な苦境を認めたうえで、対テロを含む課題を示し、国民に団結を求めました。

*     先週、ロシアの情報機関はタイ当局に対し、過激派組織「イスラム国」とつながりのあるシリア人10人が10月にタイに入国し、タイ国内にあるロシアの関係施設などにテロ攻撃を仕掛ける恐れがあると警告していました。タイではことし8月にバンコク中心部で20人が死亡する爆弾テロ事件が起きており、ISによるテロの可能性が指摘されたことで、現地に多く滞在する外国人の間で治安への不安が高まりそうです。

*     IMF=国際通貨基金は理事会で11月30日、SDR=特別引き出し権に中国人民元を採用することを正式決定しました。SDRはIMF加盟国に配られる準備通貨のようなもので、その価値は構成通貨のバスケットで決められます。従来のSDR構成通貨はドルや、ユーロ、イギリスポンド、日本円の主要4通貨であり、今回の決定により、2016年10月以降は人民元を加えた5通貨となります。



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