(VOVWORLD) -イランの核開発をめぐり、イギリスとフランス、ドイツの3か国は、イランに対し中断しているアメリカとの核協議を再開するよう求めた上で、8月末までに外交的解決の意思を示さなかった場合、国連の制裁を再開させる措置「スナップバック」を発動させると警告して、協議を続けてきました。
しかし、3か国は28日、協議が不調に終わったとして共同で声明を発表し、イランが2015年の「核合意」に違反したと国連の安保理に通知して制裁を再開させる手続きを始めたことを明らかにしました。
このなかで、イランによる高濃縮ウランの備蓄は民間利用とは説明できず、「イランの核開発計画は国際的な平和と安全に対する明白な脅威であり続けている」と批判しています。
これに対し、イラン外務省は声明で、「違法な通知を断固拒否し、最も強いことばで非難する」と反発し、3か国に対応の見直しを求めたことを明らかにしました。
今後、安保理で30日以内に制裁を回避する決議が採択されなければ、国連の制裁がイランに再び科されることになりイランの友好国であるロシアや中国も含めて外交的な駆け引きが活発化しそうです。
他方、アメリカのルビオ国務長官は、28日、声明を発表し、「ヨーロッパ3か国のリーダーシップを評価する」として、今回の対応を歓迎しました。また、「アメリカは、イランの核問題の平和的かつ持続的な解決を促進するためにイランとの直接の対話に応じる用意がある。イランの指導者たちに対し、核兵器を決して保有しないことを確実にするために、必要な措置をただちにとるよう求める」として、イランに対し、中断しているアメリカとの核協議に応じるよう呼びかけました。(NHK)