中国、成長率目標「5%前後」 国防費7.2%増で軍拡継続―全人代開幕
(VOVWORLD) - 中国の国会に当たる 第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議 が5日午前(日本時間同)、北京の人民大会堂で開幕しました。
中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の様子(写真:Chinanews) |
李強首相は政府活動報告で、2025年の経済成長率目標を「5%前後」 に設定すると発表しました。前年比7.2%増の国防予算を含む予算案 も公表し、習近平政権の軍拡路線継続を明確にしました。会議は11日に閉幕する予定です。
成長率目標を5%前後に設定するのは3年連続 で、第14次5カ年計画の最終年にあたります。景気低迷が続く中、トランプ政権による追加関税の影響 もあり、中国経済への下押し圧力が強まっています。目標を引き下げると市場や国民の心理悪化につながると判断したとみられます。
財政赤字の対GDP比率は「4%前後」 とし、財政出動を拡大して景気下支えを図ります。物価上昇率の目標は「2%前後」と設定されましたが、不動産市場の低迷や雇用不安が続き、デフレ懸念が強まっています。
国防予算の7.2%増は3年連続 で、1兆7846億元(約36兆8000億円)と、日本の2025年度防衛予算案(8兆6691億円)の約4.2倍に相当します。活動報告では 「習近平強軍思想を深く貫徹する」 と強調しました。
台湾については 「『独立』分離活動と外部勢力の干渉に断固反対し、祖国統一の大業を推進する」 と明記しました。外交面では、対中圧力を強めるトランプ政権を念頭に 「あらゆる形の一国主義、保護主義に反対する」 と表明しました。(時事通信)